ロボット「フョードル」を知ろう――両手で銃を撃ち、8月には宇宙へ

スタニスラフフ・クラシリニコフ撮影/TASS
 彼はスポーツをしたり、ツイッターで呟いたり、宇宙船の勉強をしたりするのが好きだ。全く無害なロボットに思えるが、見た目は恐ろしい。

 「みんなこんにちは!僕はスカイボットF-859。フョードルって呼んでね。今僕は、2019年8月にISSへ行く時に乗る宇宙船『ソユーズMS-14』の操縦システムを勉強しているんだ」――フョードルはバイコヌール基地に到着した直後に自身の初ツイートにこう綴った。バイコヌール基地で現在彼は必要なテストを受け、準備を進めている。

 映画『アバター』を見たことがあれば、ロボット「フョードル」の作動原理を理解するのは難しくない。これはまさにあのアバターだ。ただしデザインはあれほど洗練されていない。青い肌や長い尾はない。外見はどちらかと言えばロボコップに似ている。動作をコントロールするのは専用のスーツを着た人間だ。

 「フョードル」(FEDOR)という名は実はアクロニムで、展開すると「最終試験実演対象調査」(Final Experimental Demonstration Object Research)となる。ロシア非常事態省の注文を受けた有望研究財団がNPO法人「アンドロイドナヤ・テフニカ」と共同で2014年からフョードルの開発を進めてきた。フョードルは、本来は瓦礫から人を助け出す救助ロボットとして開発が始まった。

 フョードルが最初に世界に披露されたのは2016年10月のことだった。ロスコスモスのドミトリー・ロゴジン長官がフョードルの能力を紹介する動画を公開し、彼が単なる救助ロボットではなく、本物の「宇宙飛行士のアシスタント」になり得ることを明かした。

世界初の開脚ロボット

 動画では、フョードルは完全に人間的な動作を見せている。彼は歩き、拳で腕立て伏せをし、ドリルで作業をし(ベニー・ベナッシの曲『サティスファクション』のMVに登場する人々に引けを取らない)、車を運転し、匍匐前進する。この他、彼は動画や音声を送信でき、最大10キログラムの荷物を持ち上げられる。

 棒を使うのは、ボストン・ダイナミクス社のように彼を打つためではなく、障害物を作るためだ。これは前庭器官を発達させ、どのような状況でも両足で立てるようにするために必要である。

 2017年、開発者らは彼の「柔軟体操」にも取り組んだ。こうして彼は世界で初めて開脚して座れるロボットとなった。縦にも横にも開脚できる。有望研究財団の関係者がRIAノーボスチに語った。 

 程なく彼はララ・クロフトの能力を手に入れ、銃の両手撃ちができるようになった。手の細かい運動性を発達させているのだ。

 ところが、国外のパートナーらの耳にこのニュースが届くと、彼らはロボットの部品の供給を拒むようになった。NPO法人「アンドロイドナヤ・テフニカ」の業務執行取締役、エヴゲーニー・ドゥドロフ氏は、RIAノーボスチのインタビューでそう話している

 開脚して両手撃ちをするロボットを想像してほしい。誰でも恐怖を覚えるだろう。こうして2018年、フョードルはロシアの開発物となることが決まったのだとドゥドロフ氏は語る。

宇宙船発射場のロボット・ブロガー

 フョードルのISS滞在は9月7日まで続く。打ち上げを前に、彼は音声アシスタント機能を追加され、宇宙船に無理なく収まるよう少し小さくされた。

 フョードルの任務の詳細は明らかにされていない。すべて彼のツイッターのページで公開されることになっている。無重力空間でのフョードルの活動を宇宙飛行士らが評価することになるという。何と言っても彼はISS初のロボット・アバターなのだ。

 残念ながら今回の初飛行でフョードルがISSから宇宙空間に出ることはないが、将来的にはこのロボットが船外活動に必要になるだろうと宇宙飛行士養成センターのパーヴェル・ヴラソフ局長は話す

 「サッカーフィールドほどの大きさがある現在の基地の外壁を伝って移動するのは容易ではなく、時間もかかる。ロボットの支援は、何かしらの道具の運搬など、基本的な行為になるかもしれないが、考え得る応用法は十分多い」と同氏は説明する。

月への展望

 今後の飛行ではフョードルは地上から操作され、船外活動にも出される。これは確かだ。

 もしすべての試験が成功すれば、フョードルはロシアの新型有人宇宙船「フェデラーツィア」の初の実験者となる。「フェデラーツィア」は2022年にロケット「ソユーズ5」(「イルティシュ」)でバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる予定だ。

 なお、ロスコスモスのドミトリー・ロゴジン長官が明かしたように、ロシアの宇宙飛行士らを月ミッションへと送り出す前に、フョードルを新型有人宇宙船「フェデラーツィア」に乗せて月周回軌道へと送ることが真剣に検討されている。

 「我々は、この課題にはまず予備段階があると考えている。まず人型ロボットがそこへ行き、我々はあらゆるリスクを把握してそれらをカバーする方法を学ぶ。それから人間が行く」とロゴジン長官は語っている。

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