カラシニコフ自動小銃に関する5つの神話

オレグ・スミスロフ撮影/Sputnik
 世界で最も有名な小銃と言えるカラシニコフ自動小銃(AK)については、その誕生以来、真の考案者はカラシニコフではないとか、300メートル以上離れた標的を仕留められないとか、多くの伝説が生まれて来た。以下でご紹介するのは、AKにまつわる最も有名な5つの迷信と、意外な事実だ。

神話その1:AKはドイツのStG44のクローンである

StG44

  確かに2つの銃は外見が似ている。StG44は第二次世界大戦末にソ連兵がドイツから持ち帰った戦利品だ。 だがこの「ドイツ版AK」が初めてソ連軍の手に渡ったのは1944年のことだ。スダエフという設計者が初のソビエト版自動小銃をソ連軍のために開発したのが1943年のことだ。スダエフの死後にミハイル・カラシニコフがこれを完成させ、軍の正式アサルトライフルの座を勝ち取った。

 1940年代の兵器製造における技術的アイデアは、世界中で軌を一にしていた。例えば、1950年代初めには、デンマーク人もマドセンLARの名でNATO軍向けにカラシニコフの「コピー版」を製造したとして非難された。

  AKとドイツのStG44との決定的な違いは内部構造だ。トリガーとハンマーの機構が異なり、マガジンのレシーバーも違う(要するに、一方の小銃のマガジンを、もう一方に用いることができない)。また、それぞれ組み立て・分解方式が全く異なる。両者の外観の違いは言うまでもない。

 だが、ドイツの技師らの仕事がソビエトのAKの発展に貢献したことも否定できない。大祖国戦争後、シュマイサー設計局はイジェフスクでAK-47の改良に協力した。

神話その2:AKは唯一無二で、比類ない

Sa vz. 58 P

 確かにAKは、その製造・使用における単純さ、効率性、扱い易さ故に、世界中で革命や独立闘争のシンボルの一つとなった。

  だがAKの「プラットフォーム」は唯一無二のものではない。チェコ人も同様の技術的革新に行き着き、チェルマク自動小銃CZ SA Vz.58を開発している。CZ SA Vz.58は、外見こそAKのコピーだが、動作原理が異なる。また、ドイツのStG44の場合と同様、専用のマガジンしか受け付けない。

 CZ SA Vz.58は長寿だった。東欧では2010年まで用いられていた。だがAKほどの名声を馳せることはなかった。頑丈さの点でAKに引けを取ったからだ。

神話その3:AKでは300メートル以上離れた敵を倒すことができない

АК-47

 うむ、訓練を受けていない射撃手には絶対に不可能だろう。だが、高度な訓練を受けた兵士ならば400メートルだろうと問題にならない。すべて自動小銃の装備の問題だ。ここでは車と同じ原理が働いている。つまり、「チューニング」して限界を超えさせることができる。最高速度時速240キロメートルの愛車に、時速300キロメートルを突破させることも可能なのだ。

 AKの長距離射撃で結果を出すためには、小銃の「チューニング」の他に、スナイパーライフルと同じ原理が作用する。直線的に撃つのではなく、曲線的な軌道で撃つのだ。照準を横や縦にずらし、風圧、気圧、標的までの距離を考慮する。難しく聞こえるが、長距離射撃で常に新しい要因を考慮に入れる必要があることは、プロの射撃手なら誰でも知っている。

神話その4:AKは誰が使用するにも理想的で、誰もが最初から気に入った

  1947年のモデルは、実際に軍の試験で他に勝利して軍に採用されたのだが、AKの名高い「頑丈さと故障知らず」は、むしろその後12年間の改良の成果だ。

 今日我々が知るAKは、カラシニコフが改良を加え、使用者が指摘する欠点を克服した1959年のモデルだ。こうして得られた特徴の中に、先述の「頑丈さと故障知らず」がある。最初のモデルはすぐに汚れが詰まって故障した。また、使用者からは射撃時の弾のばらつきも指摘され、これも改善せねばならなかった。

 結局改良後も、AKは弾のばらつきの少なさという点で当時のNATOのライバルに引けを取ったままだった。だがAKは殺傷能力が格段に高く、実際に非常に頑丈で、塵の中でも雨の中でも砂嵐の中でも雪の中でも正常に作動した。

神話その5:AKはミハイル・カラシニコフが一人で開発したものである

AK-47を持っているミハイル・カラシニコフ。モスクワ中央軍事博物館で行なわれた自動小銃の誕生の60周年記念日を祝うセレモニーにて。

 これは違う。カラシニコフは実際に天才的な設計者で、事実彼の元で技師らが活動していた。だがAKというプロジェクトは、1943年のスダエフのアイデアを発展させたものであり、しかも、40年代から50年代にかけてのシュマイサー設計局のドイツ人らの助力の賜物なのである。

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