M20の突然変異が我々のほうへやって来た。パジェロと掛け合わせたもので、ベースの全体、3.5リットル208馬力エンジン、オートマチックトランスミッション、サスペンションをパジェロから譲り受けている。このベースにポベーダのフレームが載せられているが、内部は日産ティアナの温かい革のシート、自動開閉窓、電動トランク、バックモニターで最新化されている。なかなかしゃれたものだ。
この美人は、単なるセダンからクーペに変わるというシンデレラストーリーを経て誕生した。デザインの改変に伴う明らかな伸長・短縮を除いて、技術仕様についてはあまり公表されていない。しかし、4Vエンジンはボンネットの中に明らかに見て取れる。内装も同様に、デザインの更新と電気系統の最新化がなされている。
これは、明らかにアメリカの先祖を意識したロシア固有のマッスルカーだ。GAZ-3102ヴォルガをベースに開発されたこのモンスターは、130馬力のエンジンを装備し、表層の粋な改変を加えられ、ダッジチャージャー的雰囲気を醸し出している。
以上のGAZに関しては、我々が冗談を言っているように思われるかもしれない。だがこれこそは、輝かしい歴史と長年にわたる多くの改良と再構想によって仕上げられた、ソビエト随一のセクシーなモデルだ。こちらがクーペに改造されたGAZ-31105ヴォルガ。ボンネットの中にはクライスラーのエンジンが搭載されている。内装はクラシックなGAZ-21を思わせる。改造にかかった期間はたったの4ヶ月。これはキメラと並んで、筆者のお気に入りのモデルだ。
これは単にもう一台のGAZ-31105というだけではなく、このリストの中で最も安い車でもある。所有者は5月にこの車の価値を40万ルーブル(7000ドル以下)と公表した。カラースキームを変更しただけで、ヴォルガとアメリカのエルカミーノの掛け合わせも粋なアイデアに見えてくる。なお、アメリカのピックアップのような外観は手作業で作られたものだ。先に紹介したもう一台のほうは、このように後部を引き剥がされていない。
この洗練された悪ガキは、同名の車をモデルにしているが、外観はかなり違っている。最初のポベーダはクラシックな外観で、『ドライビングMissデイジー』の雰囲気にぴったりだ。このカスタム版はより無責任なふるまいを想定して作られている。ベースはマツダRX-8だ。素晴らしい! 昨年モスクワで一台目撃した時は、まるで白く美しいユニコーンを見ているような気分になった。
我々のGAZネタも尽きたのではと皆さんが思ったところで、もう一台のポベーダ突然変異体をご覧に入れよう。今度はCL500をベースに、W215の車体、5リットルのV8エンジンを搭載している。だがポベーダのチャームポイントははっきりと残っている。この鼻面をご覧頂きたい。
最後にとっておきの一台。超自然的な復讐劇の要素を含んだホラー映画に登場させたら良さそうな外観だ(GAZ-52はかつてトラックだったが、今や地獄から這い上がってきた卑劣なピックアップというシナリオはいかがだろう)。後部が取り除かれている。加えられたのは日本の有名なトヨタ・クラウンのシャーシ、3リットル220馬力エンジンと後輪駆動方式だ。黒のコーティングは筆者の目には好判断と映った。このコーティングのおかげでGAZ-52のぽっちゃりした外観が少し引き締まって見えるからだ。
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