W杯の旅費をビットコインで支払うことはできるか

テック
アルセニー・カラシニコフ
 6月からのFIFAワールドカップ期間中、あるロシアのホテルの中には仮想通貨が利用できるところもある。大会期間中、ビットコインで他に何ができるだろうか。

ホテルの宿泊代を支払う

 バルト海沿岸、南のポーランドと北のリトアニアに挟まれた飛び地であるカリーニングラードのいくつかのホテルは、宿泊客にビットコインでの支払いの機会を提供している。例えば、Apartments Malinaは支払処理業者のFree-Kassaと提携し、ビットコインやライトコイン、イーサリアムといった仮想通貨の利用を可能にするサービスを提供している。

 ロシアの他のホテルはビットコインへの忠誠を公には発表しておらず、ビットコインを試してみるかどうかはあなた次第だ。

 実際、カリーニングラードであなたを救うのはビットコインだけかもしれない。地元のホテルは最低でも一泊300ドルかかり、この街はFIFAワールドカップ開催都市の中でも最も高くつく場所の一つとなっている。カリーニングラードでは4試合が行われ、スペイン、セルビア、ベルギー、クロアチア、イングランド、モロッコ、スウェーデン、ナイジェリアのサッカーファンが訪れる見込みだ。

 宿泊費を節約したいなら、Airbnbを試しても良い。残念ながら、世界で最も人気のあるオンライン短期賃貸会社のほとんどがビットコインを受け入れていない。しかし新しいサービスも現れている。Cryptocribsという新興企業は仮想通貨での支払いを認めている。 残念ながら、ワールドカップ期間中に例えばモスクワでこのサービスを利用できるのは、歴史地区にある「ミニマリスト向けの孤高なアパート」の一ヶ所だけで、宿泊代は0.5ビットコイン。

航空券代を支払う

 数年前、ラトビアのエア・バルティック社が航空会社として世界で初めてビットコインでの支払いを認め、今では欧州、中東、ロシア、その他の旧ソビエト諸国の60の目的地へのチケットをビットコインで購入できる。チケットの値段はウェブサイトではユーロで表示されている。

 航空券代を支払うさい、利用者のビットコインはその時点の相場でユーロに変換される。ビットコインの利用を可能にするため、エア・バルティックはビットコインをユーロに変換する第三者支払処理業者のBitpayと提携している。

 仮想通貨での支払いが可能な航空機予約サービスはたくさんある。米国の旅行代理店CheapAir.comは2013年に初めてビットコインを採用した。現在このサービスではライトコイン、ビットコイン・キャッシュ、ダッシュでの支払いも可能だ。国際的なオンライン大企業Expediaや、Destinia、BTC trip、A Bit Skyなどのサービスも同様。

食事をとる

 2017年、モスクワを拠点とするロシア料理店Valenokが、ロシアの首都で初めてビットコインの利用を認めるレストランとなった。ロシアの伝統的な履物に因んで名付けられたこのレストランは、「農産物のメニュー、大人のための金曜パーティー、子供のための週末アニメ上映」を提供している。Valenokには、2つのフロアに340人分の席がある。

 この店は、有名なロシア人レストラン起業家のアルカージー・ノヴィコフの所有物の一部だ。彼の所有物には他に50以上のプロジェクトが含まれている。そしてもちろん、その多くが仮想通貨を受け入れている。

 ワールドカップ中にホームシックになった場合に備えて知っておくべきことがある。ロシアのバーガーキングは “WhopperCoin” と呼ばれる独自の仮想コインを立ち上げたのだ。バーガーキングのチェーン店で名物のWhopperサンドイッチを買うごとに、利用客はデジタル・ウォレットを通してWhopperCoinのトークンを得ることができる。

 ロシアのサブウェイはビットコインを受け入れているだけでなく、支払いに仮想通貨を利用した客に割引を提供している。ディスカウント・バーのチェーンであるKillfish、ワールドカップ開催都市の一つロストフで最大のレストランであるRostov-Papa、チェリャビンスクのカフェCoffee-In、その他多くのカフェやバー、レストランで仮想通貨が利用できる。