コンバーチブル「クリミア」:「ラーダ」ベースのスポーツカーは売れるか?

テック
ニコライ・シェフチェンコ
 大胆にも「クリミア」と命名された、ピカピカの新型コンバーチブルは、見た目は、ポルシェ・ボクスターやロータスに似ているが、お値段はお笑いの、たった約120万円。実は、これはロシア国産車「ラーダ」をベースにしているのだが、誰も決してそうは思うまい。

 この車のデザインは大胆だ。コンパクトで、光沢のあるオレンジと黒のコンバーチブル、スポーティーなスタイル。エンジンは後部に配置されている。その思い切った外観からして、ベースがロシア車「ラーダ・カリーナ」だとは、よもや誰にも分かるまい。ところが実は、新型スポーツカーのコンポーネントの70%は、ラーダのそれなのだ。

 この誇らしげに「クリミア」と命名された新スポーツカーが、ありふれた大衆車「ラーダ・カリーナ」に基づいているとは、誰も思うまい。その華麗なデザインには、ロシア人が国産車の名をふつう連想するようなものは皆無だ。

 とはいえ、この車のエンジニアによれば、このモデルは、ラーダの生産ラインから事実上独立しているという。いざというときは、これと同じ車が、エンジニアの要求に合いさえすればだが、ほかのどんなプラットフォームでも組み立てられる。

 このロシア国産コンバーチブルには、VIP、平均、エコノミーの、3つの異なる価格帯がある。外国の類似のモデルとは違って、価格のカテゴリーごとに、基本デザインのバリエーションの範囲を越えた、機能的な差異がある。例えば、VIPモデルは、より重くて、より強力なエンジンを備えている。

 とはいえ、「より強力なエンジン」という売り言葉は、あまり真に受けないほうがいいかも。マスコミ報道によれば、この新型車の排気量1.6Lのエンジンは、ささやかな106馬力しかない。車の軽量さ(900kg未満)が、馬力不足を補いはするものの、この“スポーツカー”が100 km/hに達するまでには、8.5秒もかかる。

 で、今のところ、エンジニアたちは、このスポーツカーの需要を把握し、それに応じて価格帯とデザインを調整しようとしているが、マスコミのほうは、新型車の価格を11000㌦(約120万円)と見積もっている。この暫定的な評価が、実際にお買い得ということになれば、この安価な国産カブリオレの需要は、向こう2年間ほど生産されているうちに、急上昇する可能性がある。エンジニアらは、現段階でも、この車がすでに高い関心を呼んでいると語っている。