“忠誠心”の高い顧客を維持することは、企業の重要な課題である。ロシアの新興企業「ファンペイ・マネー」は、消費者が商品を割り引き価格で購入し、同時に企業が良い評価を受けるサービスを提供することで、課題に貢献しようとしている。
消費者であるユーザーは、ファンペイ・マネーのウェブサイトに登録し、「フェイスブック」、「インスタグラム」、「ツイッター」などの交流サイト(SNS)の自分のページで、割り引きを受けたい小売店、レストラン、美容室(ファンペイ・マネーのパートナー店)などのハッシュタグをつけて、投稿を行う。その投稿に友だちなどがいいね!を押すと、それぞれのいいね!に対して、店から「ボーナス」をもらえる。
ボーナスの規模は、それぞれの店が決めるが、標準的にはいいね!1個は1ルーブル(約2円)。ロシアの物価水準を考えると、この割り引き額は決して少なくはない。
「3割の割り引きを提案するパートナー店が多い。これは当社がすすめる割合で、それに従うところが多いということ。ユーザーはいいね!で食べ物、ビール、美容サービス、ジムのメンバーシップなどを手に入れている」とファンペイ・マネーの創業者ウラジーミル・グラトキフ氏は話す。
グラトキフ氏によると、水タバコのあるカフェやレストランもユーザーの間では人気だという。
パートナー店は増加しており、現在240店を超えている。10割の割り引きを提案する店、すなわちいいね!を通貨扱いする店もあるが、対象商品は少なく、カクテルや服などだという。
グラトキフ氏はファンペイ・マネーを立ち上げる前に、#ハーシュボードというプロジェクトも行っていた。これはユーザーの店のハッシュタグつきの投稿をテレビ画面にリアルタイムで表示するサービス。「いいね!で支払うというアイデアを昨年試験した。目的は新しい顧客を獲得し、古い顧客を維持するもの」とグラトキフ氏。
ファンペイ・マネーはウェブ・サービスとして今年春に始められた。現在、新しいアプリを開発中で、10月初めには「アンドロイド」および「アイオーエス」で同時にリリースする予定だと、ロシア・ビヨンドに語った。
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