極東連邦大学で露日共同省エネ研究

プーチン大統領は12日、FEFUを訪問し、水中ロボット工学や石油化学の専門家育成のための最新設備がそろっている実験棟、また大学での教育および研究活動のために招かれた専門家の講義を視察。=写真提供:kremlin.ru

プーチン大統領は12日、FEFUを訪問し、水中ロボット工学や石油化学の専門家育成のための最新設備がそろっている実験棟、また大学での教育および研究活動のために招かれた専門家の講義を視察。=写真提供:kremlin.ru

ロシア・ウラジオストクの極東連邦大学(FEFU)で、日本とロシアの合同省エネ・プロジェクトが始まっている。

 ウラジーミル・プーチン大統領は12日、FEFUを訪問し、水中ロボット工学や石油化学の専門家育成のための最新設備がそろっている実験棟、また大学での教育および研究活動のために招かれた専門家の講義を視察。日本の東北大学の丸田薫教授もプーチン大統領と面会した。

 ロシア連邦政府が支援するFEFUの研究活動を、丸田教授は10月に開始。日本とロシアの共同研究チームは今後3年間、丸田教授指揮のもと、新たな燃焼技術の研究を行う。

 

東北大学・丸田薫教授のアイデア 

 ロシア連邦教育・科学省が昨年末に実施した、ロシアの大学の科学研究費助成コンクールで丸田教授は優勝。FEFUのセルゲイ・ミナエフ教授にコンクール参加をすすめられたという。ミナエフ教授は世界的に認められたさまざまな研究者を大学に招待しており、また国際燃焼・エネルギー実験所をFEFUに設立している。

 「いかなる機械でも燃焼後に副産物として高温の排気ガスが残り、通常はそれが空中に放出される。我々のアイデアとは、この熱を炉に戻し、そのプロセスを最大限に効率化させること。世界のエネルギーの90%は燃焼で得られているため、燃料を節約できるあらゆる技術が極めて重要となる。我々の技術は燃料を最大30%節約し、燃焼機械のサイズを小さくするもの。熱の戻しは自動車、航空機のエンジン、ガスタービンなど、あらゆる燃焼で効率的に使える可能性がある。燃焼の発生および維持の可能な下限を割り出し、アイデアを燃料のあらゆる種類に取り入れられれば」と丸田教授。

 この技術によって無炎燃焼の実現が可能となり、したがって有害物質の排出も著しく低減できる。

 丸田教授は実践的成果として、新技術のエネルギー分野への導入を期待する。日本とロシアの共同研究チームのアイデアはすでに、日本の重工業や宇宙産業の関係者の注目を集めている。新しい燃焼技術はロシアの企業にとっても興味深いものになると、丸田教授は考える。

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