経済開発省によると、両国の製薬分野での協力は、すでに成果を出しているという。中でも目立った事例として、ナイコメッド社(武田薬品が買収したスイスの大手製薬会社)とヤロスラヴリ州の協力をあげることができる。=タス通信
経済開発省が音頭
視察団の来日の目的は両国の医療分野での協力発展。視察団を率いるのは経済開発省。経済開発省アジア・アフリカ部のエヴゲニー・ポポフ部長がロシアNOWに語ったところによると、視察の戦略的目的は、共同研究によって製作される医療機器を含む、ロシアでの最新医療機器の現地生産化。「当面の課題はロシアでの医師および医療スタッフの教育インフラの整備。例えば、日本製の最新医療機器が導入された治療・診断教育センターなど」
ロシアはここ数年、アジアの製薬会社や医療機器メーカーを、自国の市場に積極的に招いている。2010年代に入ってから、ロシアでの現地生産化を目指す外国企業を誘致することが決定し、動きが活発になった。
「日本とロシアの政府と経済界は、両国の経済協力の優先分野の一つとして、医療と製薬を検討している。そのため経済開発省が日本側との積極的な接触に、特に関心を向けている」とポポフ部長。
昨年は東京で日露医療フォーラム
東京で昨年4月、日本の省庁とロシアの経済開発省などの主催で、「日露医療フォーラム」が行われた。また昨年9月にはロシア連邦製薬業協会の視察団が来日し、製薬分野での日露協力プロジェクトが創始された。今年3月19日に東京で行われた第6回日露投資フォーラムにも、医療関係者が出席している。この訪問は製薬産業の協力、核医学分野のプロジェクト、研究機関の相互活動を主に目的としたものだった。
経済開発省によると、両国の製薬分野での協力は、すでに成果を出しているという。中でも目立った事例として、ナイコメッド社(武田薬品が買収したスイスの大手製薬会社)とヤロスラヴリ州の協力をあげることができる。ヤロスラヴリ州の「製薬集積」での工場建設は完了しており、2015年にフル稼働する予定。工場は現在、薬剤の二次的包装を行っている。
多方面での協力の条件整備
「今回の視察は、病院向けの診断機器から高度な超最新式腫瘍性疾患治療システムまで、医療機器分野における体系的相互活動のための条件を整備する第一歩になる」とポポフ部長。
ロシアの機関にとって興味深い医療機器の開発および使用の具体的な方向性、ロシアの医療人員の教育・専門的再教育システムの整備、協力に関心のあるロシアの企業や組織を基盤とした、日本製医療機器の導入されている医師教育センターを設立することなどについて、視察団は日本側と意見交換を行う。「視察で基礎を築き、このような方向性の活動推進のために、潜在的なパートナーのグループをつくる予定」
腫瘍性疾患治療の分野における日本とロシアの協力発展も、提起される可能性がある。「核医学分野の用途を含めた医療機器製造工場への、ロシア企業の進出組織の可能性についても、日本の厚生省とともに検討されている」とポポフ部長は説明した。
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