ロシアの技術的未来とは

シベリア全土から集まった6~30歳の青少年約300人がロボット技術祭「ロボシブ」に参加した=レオニド・カガノフ撮影

シベリア全土から集まった6~30歳の青少年約300人がロボット技術祭「ロボシブ」に参加した=レオニド・カガノフ撮影

大人が未来の技術やその実現時期について考えている間に、子供は空想を現実に変えている。シベリア各地から才能豊かな若きロボット愛好家を集めた、第1回イルクーツク・ロボット技術祭「ロボシブ(RoboSib)」(11月28~29日)が、これを証明した。

 ロシアのロボット分野では今日、専門資源センター53ヶ所で、49地域1500チーム、8000人強の青少年が、技術的創作に取り組んでいる。さらに複数の年次フェスティバルや、ロボット開発プログラムと若年層ロボット技術普及プログラムへの安定的な多額の資金提供もある。

 急いで食べきれなかったサンドイッチの残りと金属部品、ピカピカのホイルが張られたダンボール箱の生きたロボット、音を立て続けるプラスチック製のタイヤ…。これが第1回「ロボシブ」の光景だ。シベリア全土から集まった6~30歳の青少年約300人が、さまざまな作品を紹介した。

 

課題で競い合う 

 会場となったイルクーツク市内の「シブエクスポツェントル」は、人でごった返している。どこも黒山の人だかりと機械ばかりで、余分なスペースはない。植物の給水システム、カカオ製造装置、ロボット戦車、ロボット・ショベルカー、ロボット蛇など、スイッチが切られて置かれているものもあれば、大会への準備 が整えられているものもある。

 黄色い立方体を集めて、それをカゴにふりわけるという、大会の最初の課題は、一見簡単そうだ。だが実際には、想像力を要する。ロボットが素早く的確に課題を遂行できるようにするには、手の器用さと技術的な感度が必要となる。タイヤが思う方向に動かない、ハサミで物が挟めない、コンピュータがフリーズする、課題の終了時間が迫る…。失敗した子供たち(参加者のほとんどは子供)は、ショックのあまりリモコンを床に投げつける。少し上の世代は頭を抱え、目を閉じて悔しさをかみしめる。

 ロボットが立方体をうまくカゴにふりわけ、我先にと動き、障害物を回避し、旗を上げているところもある。「私たちは新世代のエンジニア」と書かれたTシャツを着た若者たちは、机に向ってプログラムを調整し、ワイヤーをチェックしている。最年少の参加者たちは、自分たちのロボットをレゴ(LEGO)からつくっている。幼稚園に通っていた時から、トランジスタとレジスタの違いや、何のためにそれが必要かを知っていた子供たちを、一度にこれだけたくさん見れるのは、ここだけのような気がする。

 

なぜロボットなのか 

 なぜ人間にはロボットが必要なのだろうか。「ロボシブ」の参加者の意見はだいたい一致している。まず、軍事分野や、放射性廃棄物の収集などの人間にとって危険な作業に、ロボットを使うことが必要だという。

 ロボットはただ危険な作業を代行するだけでなく、人命も救ってくれる。竜巻が発生した時に「地面にめり込んで」、住人を救う家のモデルを紹介したのは、 ブラーツク市から来た学校の生徒のグループ。この家を建設するのにどれぐらいの費用がかかるのかという質問に答えることはできなかったが、このプロジェク トの実現の足かせの一つになるのが、資材とロボットの価格だということをすぐに認めた。

 「高額であることは当然マイナス。だけど人間の命はそれ以上というか、価値がつけられない」と、家のモデルの照明を消しながら、1人が答えた。子供らしく、このような重要なプロジェクトの資金は遅かれ早かれ見つかると、気楽に構えている。

 「ロボシブ」の参加者の多くにとって、これは子供の娯楽に近い。ロボットの部品を何時間も組み立てる用意はあっても、プロジェクトの審査において、具体 的な将来の計画について英語で話すのは簡単なことではない。子供たちが喜んで話すのは、未来の人間の生活において、ロボットがどのような位置づけになるかといった、より抽象的な内容だ。

 

夢から未来が生まれる 

 「いくつかの大会に参加するためにロボットを建造したけど、ロボットの用途は広い。未来は人工知能と人間が一つになっている可能性もある」とイルクーツク国立大学付属学校の生徒は話す。人間をロボットと完全に置き換えることが可能かという質問に対しては、「どこでもというのは、今のところあり得ない」と 答える。「でもこれは不可避なこと」と、イルクーツク航空技術学校の生徒は自分たちの歩兵戦闘車に似たモデルを動かしながら話す。

 子供たちがロシアの技術的未来について空想している時、大人はその未来をこの子供たちの中に見いだしている。「ロボシブ」の主催者は、誰もこのような未来がいつ訪れるのかとは聞かなくなったと話す。未来はすでに訪れ、そのロボット技術の一歩は踏みだされているのだ。