「地球の大気圏に突入する隕石の総重量の約10%しか地表面に到達しないというのが、一般的な考え方ですが、今回は1%以下でした」=ロイター通信撮影
-なぜ論文が「サイエンス」に掲載されたのですか。
我々が6月末、当時そろっていた観察資料を集めて分析し、論文にまとめて提出したのです。爆発に関する正式なデータと、我々が調査して集めたデータも処理しました。この情報は以前まったく公表されていなかったものです。これ以外に、衝撃波のモデルを作成し、地表面での影響と比較したところ、期待通り適合していま した。
-隕石について新たにわかったことは何ですか。
チェリャビンスクの隕石は「電気音」を出すものだった。目撃者は割れるような音を聞いていたが、これは隕石が飛ぶ時に聞こえることがあるという。隕石自体から出る音ではなく、隕石が飛んでくる時に生じる磁場によって出ると研究者は考える。
すべてのデータを照合して、隕石のエネルギーを評価しました。可聴下音の観測のために我々の観測所と現場に近い観測所を使いましたが、可聴下音の測定 で、エネルギー総量は500キロトンでした。
また通常はミサイルの発射や核実験などを監視している、アメリカの軍事衛星に記録されたデータも使ってエネルギーを計算しました。この軍事衛星は隕石突入によって生じる大気光学現象を記録しますが、これをもとに計算してみると、チェリャビンスク隕石の運動エネルギーは590キロトンでした。
もう一つの初期運動エネルギーの試算は、地球上でガラスが割れた場所の測定にもとづいて行いました。どの方法も正確ではありませんが、お互いに独立しています。これが重要なポイントでした。
-調査で50ヶ所の集落を訪ねましたね。何を探していたのですか。
これは当研究所と、同じくロシア科学アカデミー天文学研究所の小さな調査旅行でしたが、隕石が落下した直後に情報を収集しました。目撃者の証言を集め、 割れたガラスの形状を実際に確かめました。損傷領域は隕石落下の経路に垂直に90キロメートル伸びていて、蝶の形をしていました。
化学分析で、チェリャビンスク隕石に硫黄と酸素を含む有機化合物の跡が見つかった。
-隕石の爆発でプーシキン像にも損傷があったそうですね。
はい。衝撃波でエマンジェリンスク図書館のプーシキン像に亀裂が入りました。
-隕石の特徴はどのようなものでしたか。
記録された動画100本以上の中から数十本を選び、天測航法調整方式で関連付け、軌道、角度、速度を調べた結果、秒速19キロメートルで、サイズは18~20メートル、重さは1.3*107kgキログラムであることがわかりました。
-隕石の種類は何でしたか。
隕石は大気圏に突入した、高度97.1キロメートルで光り始めた。もっとも明るかったのは、上空29.7キロメートル。この時の明るさはマイナス27.3。太陽はマイナス26.7等星だから、隕石は太陽の約30倍明るかったことになる。
普通のLLコンドライトでした。地球に落下する隕石のほとんどがコンドライトです。これは鉄の含有量によって3種類にわかれますが、チェリャビンスク隕石は、もっとも鉄の含有量が少ない種類に属します。しかしながら、金属探知器は反応しますし、磁石にもつきますし、錆びもします。
-この隕石でまだわかっていないことはありますか。
主要な問題はすべて、ある程度明確になりました。地球の大気圏に突入する隕石の総重量の約10%しか地表面に到達しないというのが、一般的な考え方ですが、今回は1%以下でした。したがって、大気圏に突入する時の隕石の損傷については、まだわかっていません。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。