ロケットエンジン組立工場=ロシア通信撮影
ロシアのシルアノフ財務相は7月末、ポポフキン連邦宇宙局(ロスコスモス)長官に国家計画「ロシアの宇宙開発2013~2020」の予算を635億㍔削減すると伝えた。
14年度には当初1800億ルーブル(約5400億円)支出するはずだった。財務省はこれを90億ルーブル(約270億円)以上削り、15年度予算にも大ナタを振るう。
その理由を財務省は「(カザフスタンの)バイコヌール宇宙基地と関連施設への賃貸料支払いについて、ドルの為替レートを見直したためだ」と説明している。
採算性を重視
概して宇宙開発には2つの方向がある。一つは、経済性からはほとんど無意味な計画をぶち上げ、打ち上げ成功で大いなる成果の幻想を作り出すことだ。
二つ目は、国防と経済の必要性に応える計画だけだ。換言すれば、採算が取れるプロジェクトが優先されるということで、衛星測位システムが良い例だ。
「ソ連時代は、こと宇宙になると金の勘定をしたためしがなかった」と元ソ連宇宙軍司令官第1代理のゲオルギー・ルイセンコ中将は嘆く。
今は時代が違う。90年代初め、ロスコスモスは民営化され、欧米と共同プロジェクトを発足させた。
宇宙開発政策研究所の管理官、イワン・モイセーエフ氏は言う。
「我々は欲張りすぎだ。新型ロケット、新型有人宇宙船、新宇宙基地、…すべてを実現しようというのだから。まずは生産効率を上げ、技術・設備に資本を投下すべきだ」
壮大なファンタジーから一歩後退に見えようが、ロシアの宇宙開発が開花するため必須の条件である。
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