会議に出席した著名な科学者たち=スコルコボ基金提供
7月、サンクトペテルブルクで、欧州生化学連合(FEBS)の第38回会議が開かれた。自然科学分野で最大の国際フォーラムの一つである。
ロシアでのこうした会議は2度目で、1984年にモスクワでFEBS会議があった。
その後に生物学の革命的な進展が相次いだ。研究室では哺乳類のクローン化に着手し、研究者らは幹細胞の移植を習得し、ヒトゲノムを解読した。
ロシアの科学は過去30年間、研究の最前線から後れをとった。窮状打破は容易ではなかったが、近年、ロシアの生物学者たちは成功を手に入れた。
国際学界はロシアの生物学プロジェクト「スクラチョフのイオン」を高く評価した。2004年、ウラジーミル・スクラチョフ氏を中心とするロシアの生化学者たちは、将来の老化防止薬とみなされる化合物「SkQ1」を合成した。
生物学者のセルゲイ・ルキヤノフ氏は細胞レベルでの生きた微生物の研究を可能にする蛍光たんぱく質の製造技術を開発した。
遺伝生物学研究所は細胞核へ薬剤を運ぶ分子「ナノトランスポーター」をつくり出した。これは、がん治療の効率を高めるものだ。
会議は、外国人研究者らの新たなプロジェクトについても知ることのできる格好の機会を与えた。
しかも、参加者にはシドニー・アルトマン、クルト・ビュートリッヒ、アダ・ヨナス、ロジャー・コーンバーグ、ジャンマリー・レーン、リチャード・ロバーツ、利根川進の各氏ら11人のノーベル賞受賞者が勢ぞろいした。欧米、中国、日本から3000人が参加した。
会議においてロシア勢で精彩を放ったのはイノベーション・センター「スコルコボ」だった。
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