V.チスチャコーフ撮影/ロシア通信
ロシア水文気象環境監視局の気候環境変化実験所首席研究員アレクセイ・エカイキン氏は現在、ボストーク基地で働いており、同氏が自分のブログLivejournal.comに「ボストーク基地の南極観測隊員らのもとに、インターネットの形で文明が飛び込んできた」と書いた。
「もっとも、『飛び込んできた』というのは少し大げさかも。むしろ128Kbps/秒の速度で『何とか潜り込んできた』と言った方がよい。ネットにつながるにはすさまじい忍耐と長い時間が必要だが、私には忍耐も時間もない」とエカイキン氏は言う。
超低速
ロシア水文気象環境監視局の代表の説明によれば、ベリングスハウゼン基地、プログレス基地、ノボラザレフスカヤ基地は、128Kbsp/秒のチャンネルをロシア連邦宇宙局と半分ずつ分け合っており、その結果、どの基地でもインターネット速度は当面、64Kbsp/秒を超えることはない。ボストーク基地とミールヌイ基地でも同じくらいの速度になるだろう。
「現在、ボストーク基地では専門家が、南極隊員がインターネットを使用できるようにする衛星通信用パラボラアンテナの現代化作業を行っている。それと同じ作業が、ミールヌイ基地でも並行して行われている。シーズン末(2月)までには、もちろん、これらの作業をすべて完了させるつもりだ。今しばらくは調整中」と、ロシア水文気象環境監視の代表者は言う。
衛星が足りない
もっとも、ボストーク基地の位置の地理的特徴(南極点地区)が影響する。ボストーク基地の緯度では、すべての衛星が水平線上にあり、24時間通しての交信を保証することはない。その上、ボストーク基地では、時おり別の通信手段が利用されている。現在、ロシアの極地研究は、ロシア衛星資源が非常に不足だと感じていることを、ロシア南極調査室では認めている。「ロシアの南極基地のインターネットが保証するのは、当面、電子メールと電話だけになるだろう」と研究所で関係者がロシア通信にため息をついた。ビデオ会議や、ブログ運営などの自由なネットサーフィンはおそらく可能にはなるまい。
「基地の人たちは非常に忙しく、びっしりと予定が詰まっている。優先するのはただ一つ、すべての科学プログラムの遂行を保証し、現在のデータと実行データをタイムリーに送ることなのだから」と「ノーボスチ」が話を聞いた関係者は強調する。
外国の場合は
外国の南極観測基地のインターネットについて言えば、基地によって、皆それぞれに違う、と同氏はつけ加えた。たとえば米国のマクマード基地では、1990年代から低軌道システム「アルゴス」によって、良質のインターネット環境が保たれている。チリとアルゼンチンも、基地の上空を衛星に通過させる同様のシステムを持っている。中国の基地は、静止衛星システムを利用している。多くの国が、通信保証サービスを近くの基地から購入している。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。