英国の分析会社ジェーンズ・ディフェンス・バジェットの2016年のデータによれば、ロシアは国防支出のランキングで、上位5ヵ国から脱落した。トップ3は米国、中国、英国で、以下インド、サウジアラビア、ロシアと続く。ロシアが5位以下となるのは1990年代以降初めてのこと。フィナンシャル・タイムズが報じた。
欧米による制裁の発動および原油価格の下落を受け、ロシアは一貫して「国家防衛」部門の予算を削減している。世界経済国際関係研究所国際安全保障センターのアレクセイ・アルバートフ所長によると、今年のロシアの国防支出は3.2兆ルーブル(6.3兆円)、来年のそれは2.8兆ルーブル(5.3兆円)となる。「これはひとえに予算不足と経済危機のためだ。他に理由は一切ない」とのこと。
各種の推計によると、ロシアの国防支出はGDPの5%を占める。この指標においては、ロシアは米国(GDPの3.1%)、中国ならびに欧州各国(GDPの2%以下)を凌いでいる。国防費の経済規模に対する比率でロシアを上回るのはサウジアラビア(約13%)、イスラエル(約5.5%)などだ。
ロシアは一部のプロジェクトの実施期限を延長することによって軍事費用を削減していく。ただし、それらプロジェクトは前面撤回されるわけではない、とアルバートフ氏。つまり、現行の「国家兵器プログラム2020」における一部項目が、その後継たる「国家兵器プログラム2025」に繰り越されるのである。これに加え、「大規模軍事演習の実施計画においても何らかの節約が」あり得る、と専門家。
出典:ジェーンズ・ディフェンス・バジェット
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