クレムリンが「テロ説は事実無根」

ポーランド空軍Tu-154墜落事故の現場を訪れたヴラジーミル・プーチン首相とセルゲイ・ショイグ非常事態相=

ポーランド空軍Tu-154墜落事故の現場を訪れたヴラジーミル・プーチン首相とセルゲイ・ショイグ非常事態相=

アレクセイ・ニコルスキイ撮影/ロシア通信
 さる2010年、ロシアのスモレンスク近郊でポーランドのポーランド政府専用機が墜落しレフ・カチンスキ大統領をはじめ96人が死亡した事故について、ポーランドのマツェレヴィチ国防相が「テロ事件」との判断を下したことを受け、クレムリンは、まったく事実無根であるとの声明を発表した。

ロシアの反応

 「公開されている情報のなかに、ロシア当局者や墜落事故捜査関係者の発言を引いたものがたくさんある」。ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官はこのように述べたうえ、「これらの情報すべてに基づいて、このような声明は事実無根で非客観的であり、現実と何の関係もないと言うことができる」 と論評した。

 マツェレヴィチ国防相の声明には、ロシア連邦下院でも反応。安全委員会のイリーナ・ヤロヴァヤ委員長は、「正気の沙汰ではない」と述べた。また連邦捜査委員会では、「愚劣だ、馬鹿げている」と決め付けた。

 

「国家的テロリズム」

 マツェレヴィチ国防相が声明を発表したのは3月12日のこと。「スモレンスク近郊の事故後、我々は次のように言うことができる。ポーランドは、今我々の眼前で展開している、現在の紛争の枠内で起こされたテロの、最初の犠牲者になった、と」 。マツェレヴィチ国防相はこう語った。同国防相の見解によれば、政府専用機墜落は、「国家的テロリズム」の結果であり、「ロシアの軍事的侵略」を補うものであるという。

 

ポーランド政府専用機墜落事故

 ポーランド政府専用機(ポーランド空軍Tu-154機)は、2010年4月にスモレンスク近郊で墜落。レフ・カチンスキ大統領夫妻をはじめ96人が死亡した。

 モスクワに所在する州際航空委員会(IAC)は、事故原因をパイロットの操縦ミスと認めたが、ポーランド側は、独自調査を行い、責任の一端はロシアの管制官にもあるとしていた。

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる