ローマ法王からの贈りもの

AP通信撮影

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ウラジーミル・プーチン大統領は10日、ローマ法王の招待でミラノからバチカンへと移動した。ローマ法王との会談は2度目。前回は2013年11月に会談している。

 プーチン大統領は法王公邸に1時間以上滞在(前回は35分)。会議は法王の個人の図書館にて非公開で行われた。

 訪問は予定より少し遅れた。ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は記者団に対し、ミラノでの協議が長引いたと説明した。また、「ミラノとローマの通りを車列がゆっくり進んだ」こととも関係しているという。「移動中ずっと、遅延が伝えられ、バチカンの合意が得られていた」とペスコフ報道官。

 

ウクライナ危機、中東情勢などを話し合う 

 「非常に深く、詳細な会談が行われた。当然のことながら、ウクライナの危機について言及され、カトリック、正教、そしてすべての宗教を多くの点で一つにする全人類の人道的価値観について話し合われた」とペスコフ報道官。

 「双方から、中東におけるキリスト教徒の状況についての懸念が表明された。まず第一に、これはシリアのキリスト教徒の生活を脅かし、紛争を継続させるもの」とペスコフ報道官。

 プーチン大統領は前回、法王にイコン「ウラジーミルの生神女」を贈り、法王からはバチカン庭園の描かれたマジョリカを贈られた。今回も贈りものの交換が行われた。

 プーチン大統領は救世主ハリストス大聖堂の金刺繍画、正教百科事典数巻を贈った。

 「前世紀の芸術家によってつくられたこのメダルには、平和、公正、団結をもたらし、守ってくれる天使が描かれている。また、福音が私たちの生活に光、喜びをもたらすという思想の込められたこの文章には、私たちについて、私たちの生活についての地政学的思考もある」と贈り物を手渡しながら法王は話した。記者団もバチカンの儀典室関係者からロザリオの贈りものを受け取った。

 会談後、法王は出口までプーチン大統領を見送り、キリル総主教への挨拶を伝えた。

 

「大変興味深く有益な一日」 

 プーチン大統領はクイリナーレ宮殿で、会談の印象をイタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領に語った。「(1日は)大変興味深く、有益だった...イタリア首相と素晴らしい仕事をし、法王との会談は和やかだった」とプーチン大統領。

 「プーチン大統領は法王との会談にとても満足している。法王を非常に深みのある豊かな人だと考えている...会談はとても和やかだった」とペスコフ報道官。

 ロシアとバチカンは、国連、欧州評議会、欧州安全保障協力機構(OSCE)などの多国間機関で効果的に協力し、国際問題について近い立場をとっている。

 法王は2013年9月、20ヶ国・地域(G20)サミットの議長国だったロシアのプーチン大統領に、「シリアでの大虐殺を許さぬよう」とのメッセージを送っている。「対立を乗り越え、あらゆる力での解決を拒否するよう、皆さまにお願いしたい」と書簡に書かれている。ロシアもその立場をとっていた。

 在バチカン・アメリカ大使が法王にロシアの扱い方を指示する声明を出したことに、クレムリンは遺憾の意を表明している。「ロシアの観点からすると、これは世界の外交における“新しい言葉”だ。法王に何かを説教する。法王に説教する権利を求めるということは、重い責任のともなうこと。これは他国の主権を押しつぶそうとする露骨な試み、というのが本当のところだ。他に言いようがない。それはプーチン大統領が常に認めてこなかった、そして認めていないことであり、我々の観点からすれば、国際関係で絶対に許されないことである」とペスコフ報道官は結んだ。