コンスタンチン・ザヴラージン撮影/ロシア新聞
下院議長は、このフォーラムが、二国間関係の枢要な問題に関する政治、経済、文化、社会の代表らによる対話にとっての非常に権威ある場となっている、という点を指摘し、こう述べた。「これに関連して、私は、まず第一に、この素晴らしい構想およびその継続的な弛まぬ実現に対してフォーラム主催者である両大手メディアホールディング(「ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)」と「毎日新聞」―編集部)のトップの方々に感謝したい」
ナルイシキン氏は、ロシアは、ロシアとの経済関係の発展を支持する日本の各界の姿勢に感銘を覚えるものの、この進展にマイナスの作用を及ぼす政治的現実を考慮しないわけにはいかず、昨年は、露日関係にとって極めて容易ならざる年となったとし、こう述べた。
「それは、両国首脳の共同声明のための日本の安倍首相のモスクワ訪問が議題となっていた2013年と比べると、いっそう際立っている。両国には、協力拡大のための良好なポテンシャルがあり、関係拡大へ向けた両国民の相互の関心が感じられる。私は、私たちにはより多くのものを達成できると確信しているが、残念ながら、露日間関係とは直接関係のない要因、すなわち、ロシアからも日本からも何千キロも隔たった一部の国々の行動が、これを妨げている。小休止を挿むべきだ、という人もいるが、私は、そうは思わない。今は、関係の価値そのもの、両国民にとってのその高い価値、という主要なものに、注意を集中することが、とりわけ必要である、と確信している」
ロシアは、依然として、日本との多面的な二国間協力の発展を目指しており、両国首脳間の定期的な対話が、その基礎となっている。ナルイシキン氏の考えでは、首脳会談は、つねに、現在の露日関係がどのような段階にあるかを把握し、最も有望な発展の分野を見定めるうえで、有益であった。そうした会談の可能性は、最近の5月9日の戦勝70周年の祝賀の際にあったが、それを実現することはできなかった。同氏はこう語った。
「先に予定されていたロシアのウラジーミル・プーチン大統領の訪問も、二国間関係における質的な進展を保障しえた。まず第一に、そうした対話の内容の充実を目指す準備作業を奨励する必要がある。単独でそれを遂行することはできず、この面では、パートナーの側からのサポートが求められる。私たちは、前進する用意があり、日本も自らのプランを明確にするよう期待している。ロシアの大統領の言葉を借りれば、『パック(アイスホッケーの)は、目下、日本側にある』」
下院議長は、重要な歴史的側面にも触れないわけにはいかなかった。2015年は、ドイツのファシズムに対する勝利70周年、第二次世界大戦終結70周年、さらに、アメリカの政治家たちの命令に基づくアメリカの軍人たちによる日本の広島と長崎の両都市への原爆投下という悲劇的出来事の70周年である。同氏はこう述べた。
「この事実上の人類に対する犯罪は、未だに法的な評価を有していない。日本では、70年前にこの野蛮で非人間的な原爆投下が行われた8月の初めに多数の追悼および慰霊の行事が催されるが、私たちも、ロシアで、日本の友人たちと共に、亡くなられた方々の死を悼む」
フォーラムの開会式で、日本の安倍首相にはロシアとの関係を「新たなレベルへ」引き上げる用意がある、ということが明らかとなったが、これは注目に値する。それについては、開幕した露日フォーラムの参加者および来賓への安倍首相のメッセージで、次のように述べられた。「私は、戦略的かつ長期的な観点に基づいて両国間関係を新たなレベルへ引き上げる意欲に溢れている。私は、対話によって、存在する問題の解決をねばり強く継続し、あらゆる分野における関係を発展させるよう、提案する」
首相の言葉によれば、ロシアは、日本の大切な隣国であり、友好関係の発展は、21世紀の東アジアにおける安定と繁栄を維持するための保証である。また、安倍氏は、モスクワ公式訪問後に、同氏が、二国間関係の強化を目指すウラジーミル・プーチン大統領との会談を一度ならず実施する可能性を有していた、という点を強調した。
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