ラブロフ外相にインタビュー

オレーシャ・クルピャエワ/ロシア新聞

オレーシャ・クルピャエワ/ロシア新聞

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が、ロシースカヤ・ガゼタ(ロシア新聞)とロシアNOWからの、ウクライナ問題や日本に関する質問に答えた。

-(ウクライナ情勢に関連して)アメリカは本当にヨーロッパに圧力をかけているのですか。

 アメリカからの圧力は、当然ながら、とても強いです...

 それでも、欧州連合(EU)は現在とっている立場の行き詰まりを、より強く認識していくのではないかと思っています。

 大切なのは、今や我々にはミンスク和平合意があるということです。我々に行動を要求する人たちには、まずこれを読んでください、と言うことができます。

 実際、ミンスク和平合意を読んでみてください。境界警備が置かれるのは、このプロセスの一番最後のことですよ。

 我々に何か要求がましいことを言う人は、次の点を無視しています。ウクライナ政府は、南東部の「特別な地位」に関する法律を実行すればよいだけだ、ということですね。同国政府は、南東部関連のすべてを”ひっくり返して”、これは「特別な地位」などではなく占領だ、などと言うのをやめねばならないのです。

 そうすれば、その後はウクライナは、南東部に対する経済封鎖の維持を正当化できなくなります。

 

-ウクライナ南東部の報告からすると、ウクライナ政府はミンスク和平合意を完全に履行していないようです...ですがロシアは、ペトロ・ポロシェンコ大統領を、より納得のいくウクライナの交渉人の一人と考えていますね。

 ポロシェンコ氏は大統領なのですから、支持する必要があります。

 

-時々、ポロシェンコ大統領がヨーロッパとアメリカの間でうまく立ち回っているような印象を受けるのですが。

 ある程度はそうでしょうが、それはアメリカを反ポロシェンコにしないためにも重要なのです。ポロシェンコ大統領は、プーチン大統領と電話会談する時、または「ノルマンディー4者協議」(ドイツ、フランス、ロシア、ウクライナ)で話し合った時など、プラグマティックになり、何らかの問題を解決しようと努めています。

 

-ウクライナ南東部のドネツィク人民共和国およびルハンシク人民共和国は、どのような将来を期待できると思いますか。

 あらゆるレベルにおいて、プーチン大統領の口から、または他の形式において、南東部がウクライナの一部になることにロシアは賛成だと言い続けています。南東部は最近、独自の憲法草案を提示しました。そこにあるのは、ミンスク和平合意の特別な地位に関する内容と同じです。両人民共和国はウクライナの一部となり、その後、特別な地位を恒常的に確立するための憲法改革が行われる、というものです。草案には、地​​方分権の説明があります。これについては、ミンスクで、ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領も個人的に書いています。

 

-アメリカのジョン・ケリー国務長官はソチを訪問した際、記者会見でクリミアについて一切言及しませんでした。これは現状を認めたということでしょうか。

 記者会見だけでなく、プーチン大統領との会談でも、私との会談でも、クリミアの話を一切しませんでした。ご想像におまかせします。

 

-フランスがロシア向けに建造した「ミストラル級強襲揚陸艦」を売らないと決めましたが、まるで悪いジョークみたいです。

 返金されないと困ります。ご存じの通り、フランスはかけひきを始めましたから。

 

-第3回日本・ロシアフォーラム「ビジネス、投資、スポーツの接点」が東京で21日に開催されます。これに関連してお聞きしたいのですが、南クリル諸島(北方領土)の問題についての日本とロシアの意見の相違は解決できそうでしょうか。

 ロシアは常に日本に「第二次世界大戦の結果を認めますか」と聞いていますが、「全般的にはそうですが、この問題についてはそうではありません」という答えが返ってきます。それならば、なぜ日本は国連憲章を批准したのでしょうか。第107条には、戦勝国の行ったことすべてが神聖不可侵と書かれています。文字通りでなくとも、法的な意味は「一切触れない」ということです。国連憲章に立ち戻れば、日本はいかなる反論もできないですし、ロシアは日本が第二次世界大戦の結果に疑義を示す唯一の国で、他の国はそのようなことをしていないと言うことができるのです。

 

-現在、原油価格に注目が集まっています。原油価格の下落については、アメリカがサウジアラビアと口裏合わせしているのでしょうか。

 そうは思いません。ここには多くの要因があります。アメリカがロシアを”痛めつける”ために、わざわざ数十億ドルもかけて、すべての環境リスクを負いながら、シェールガス開発を行うでしょうか。つまり、アメリカは自国にとってもあまり良くないことをしていることになってしまいます。で、原油価格が下落すると、アメリカにあるシェールガス田のほとんどが、利益を出さなくなったわけですが、アメリカ政府がシェールガス開発を行っている民間企業に、「かなり苦しんでるみたいですが、我慢してください」と言ったとは思えないですよね。ですので、違うと思います。

 中国の成長がわずかながら鈍化し(中国経済の1%とは非常に大きい)、それがすぐに影響となったのです。サウジアラビアは生産も輸出も減らしたくないと考えています。それでなくとも、赤字予算が計上されるなど、すでに悪影響をうけているのですから。彼らには大プロジェクトもありますしね。彼らが減産を望まない理由は簡単です。市場を空ければ、そこに別の国が入ってくるのです。それを嫌がっているのです。

 ここに口裏合わせがあるとは思いません。もちろん、ロシアは足をすくわれているところもありますが、かといって陰謀はないと思いますよ。

*記事全文(露語)