世界情勢12月/8日

ロイター通信

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フランスのオランド大統領が訪露してプーチン大統領と会談したことが主要トピックだ。

 コメルサント紙は、オランド大統領の訪露と、プーチン大統領との会談について、これがウクライナ危機発生以来初の欧米首脳の訪問である点を指摘している。ドイツのメルケル首相が対露批判を強めてからは、フランスがロシアと対話できる欧州唯一の“重鎮”だと、同紙は強調。

 会談後にオランド大統領はメルケル首相に電話したが、コメルサント紙が複数の専門家に聞いたところでは、このことは、フランスの仲介の努力にドイツが乗ってくる可能性があることを示しているという。

 また同紙は、フランスのメディアを援用しながら、近くロシアと欧州の“仲介者たち”がウクライナ危機正常化に向けての役割分担で合意するかもしれないと伝えている。つまり、ロシアはウクライナ南東部のルハンシクとドネツィクの義勇兵に圧力をかけ、一方、独仏は、キエフに影響力を行使するという訳だ。 

 同紙によると、これはごく近いうちに起こる可能性がある。というのも、9日(火曜日)にはベラルーシの首都ミンスクで、ウクライナ問題をめぐる連絡グループの協議が開かれるからだ。主要議題は、ウクライナ南東部における戦闘停止である。協議では、新たな合意事項をまとめるのではなく、既に調印した文書を実行するメカニズムについて話し合うことになる。 

 「戦闘停止について話し合うということは、それぞれの当事者が、“お家の問題”を解決するための中休みを必要としているということだ」。政治研究センターのアンドレイ・フョードロフ所長はコメルサント紙に対してこう述べた。

 同氏の意見では、ウクライナのポロシェンコ大統領は人事問題を片付けねばならない。「ウクライナ最高会議で大統領の罷免に関する法案が提出されている状況では、ポロシェンコ大統領は危険を冒したくないし、軍事で負けると致命傷になり得る」  

 

 独立新聞もオランド大統領の訪露について書いている。フランスがロシアに送ってきた重要なシグナルの一つは、フランスはウクライナのNATO(北大西洋条約機構)加盟を支持しないということで、それがこれほどはっきり示されたことはこれまでなかった。こう同紙は指摘している。

 複数の専門家の意見では、フランスは、欧米とロシアの交渉の“隙間”にもぐり込み、対立関係の克服で枢要な役割を果たしたいと思っている。

 仏露商工会議所付属のフランス・ロシア分析センターのアルノー・デュビエン所長は同紙に対し、G20サミットでオランドはプーチンを“攻撃”しなかったと説明。「フランスは他の多くの国と違い、ロシアとの対立のエスカレートを好ましく思っていないどころか、こういう状況をまったく不都合に感じている」

 同氏はまた、ロシアが長い間ドイツとの関係を優先してきたのに、メルケル首相がロシアに非常に厳しい立場をとっている点を指摘。「これはプーチン戦略にとって主な見込み違いだったろう。フランス以外には仲介者になれるような国はもうない」

 

 モスコフスキー・コムソモーレツ紙も、この露仏首脳会談について、ロシアの専門家の意見を複数載せた。

 「ロシアがガスパイプライン『サウス・ストリーム』の建設を中止するという報道は、欧州に衝撃を与えた」。こう言うのは、政治教育・コンサルティング・センターのオレグ・クディノフ所長だ。「欧州は長い間、いろいろ圧力を加えてきたり、交渉でロシアにパイプラインを全部建設させたうえで自分たちの所有にしようとしてきたりした。ところが、そのパイプラインそのものがなくなるというんだから。そうなると当然ウクライナ経由のガス供給が保証されねばならないが、そのためには戦争をやめねばならないという訳だ」

 同氏の推測では、間もなく、対露制裁は段階的に緩和、撤廃されるという。「ロシアは、ウクライナでの戦争を焚き付けていると疑われているが、そのかわり、それを止める力もあると考えられている。ウクライナの戦争は欧州の戦争だから、みんな不安がっている。だから、もしロシアがウクライナ南東部の市民生活の崩壊を食い止めるのに力を及ぼせれば、欧州のロシアに対する立場も和らげるような声明がなされるのではないかと私は期待している。プーチン大統領の、ウクライナの領土保全を尊重するという発言は、ちょうどこういう文脈にうまくはまる」

 一方、国際政治評価研究所のエフゲニー・ミンチェンコ所長は、同紙に対し、欧州と関係改善を期待するには当たらないと述べた。「向こう3~4年は、ロシアが何をやろうと、いずれにせよ対露関係は悪化するだろう。悪化の“慣性力”は大量に蓄積されてしまったのだから、それを急速に変えるのは無理だ」