世界情勢11/17報道

ロイター通信

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オーストラリア・ブリスベン20ヶ国・地域(G20)首脳会議(15、16日開催)、フランスからロシアへのミストラル級強襲揚陸艦2隻の輸出の問題などについて報道されている。プーチン大統領は16日、G20の閉幕を待たずに帰国した。

 「ヴェドモスチ」紙は、今回のG20の主な結果として、ロシアの西側からの孤立の強まりをあげている。

 ウクライナ情勢は二国間首脳会談の主な議題になったものの、全体会合では取り上げられなかった。重要な二国間首脳会談の一つとなったのが、プーチン大統領とドイツのアンゲラ・メルケル首相の会談。ドイツ代表団の関係筋によると、メルケル首相は会談の結果に満足しておらず、ロシアを戦略的パートナーと見なすのをやめそうな雰囲気だったという。

 シカゴ国際関係評議会のチャールズ・オースチン氏は、ヨーロッパ外交に影響を与えることのできるメルケル首相との会談はロシアにとってもっとも重要であり、また自国の立場を会談で伝え、新たな対ロシア制裁の問題について話し合うことがロシアにとって重要であったと考える。しかしながら対話はうまくいかなかったため、閉幕を待つ意味がなかったという。

 カリフォルニア大学のショーン・ボイラー氏は、プーチン大統領の断固とした立場により、二国間首脳会談が西側との関係をさらに冷え込ませたと話した。

 

 「独立新聞」は、ウクライナ情勢におけるロシアの立場を批判することがG20の主題だったと書いている。

 プーチン大統領が閉幕を待たずに早退した理由は、これではないかと憶測されている。西側の首脳らは、ロシアがウクライナ東部の義勇軍を支持していることを相次いで非難した。

 バラク・オバマ大統領は「今のところ、発動されている(対ロシア)制裁はかなり効いている」と述べ、新たな制裁の可能性を示さなかった。ヨーロッパは対ロシア制裁厳格化の準備をしている。メルケル首相はEUが制裁対象者のブラックリストを拡大しようとしていることを明らかにした。対象者は金融的な制限を受けることになる。イギリスのデビッド・キャメロン首相もメルケル首相の立場を支持した。

 政治工学センターの所長で、政治学博士のイーゴリ・ブーニン氏はこう話す。「プーチン大統領は”トラの檻”に行くことを理解していた。インド、中国、ブラジル、南アフリカ共和国などの一部の国はプーチン大統領にそれなりに友好的だが、他の国は西側のゲームのルールを押し付けようとしている」

 

 「コメルサント」紙は、フランスのフランソワ・オランド大統領がG20の記者会見で、ロシアへのミストラル級強襲揚陸艦の輸出について、「外部からの圧力抜きで」決定することを約束した、と伝えている。

 フランスのマニュエル・ヴァルス首相はこれより前に、「現時点でミストラル輸出に必要なすべての条件が整っていない」ことを明らかにしていた。

 ウクライナ情勢と対ロシア制裁およびその対抗措置を背景に、ロシアにミストラル級強襲揚陸艦を2隻輸出する必要があるのかという問題の答えを、フランスはまだ見いだすことができていないようだ。フランスの高官の誰もが、この問題の決定を最大限にのばそうとしている。それはウクライナに平和が訪れ、ミストラルの輸出ができるようになることを望んでいるためである。

 オランド大統領は今夏、ロシアへのクリミア編入およびウクライナ東部の軍事衝突の問題にかかわらず、契約が履行されると明言していた。しかしながらアメリカ、ドイツ、ポーランド、バルト三国などの同盟国の反発にあい、9月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で初めて、ミストラル級強襲揚陸艦「ウラジオストク」が納期に輸出されないことを明らかにした。

 オランド大統領には厳しい選択が迫られている。現状でミストラルを輸出すると、ロシアの勝利のように見えてしまう。契約に政治的意味を持たせてしまったことは、フランス政府の過ちのように感じられる。契約不履行をめぐる損害賠償は十分に起こり得る。経済状況が厳しいフランスにとって、これがかなりの痛手になる可能性もある。