ウクライナ情勢9/4報道

オバマ大統領は、エストニアのタリンでの演説で、米軍基地のエストニアへの配備を告げ、ロシアNATO基本文書の見直しを呼びかけ、ロシアに対する西側の制裁政策の合理性と有効性を主張した。=AFP/East News撮影

オバマ大統領は、エストニアのタリンでの演説で、米軍基地のエストニアへの配備を告げ、ロシアNATO基本文書の見直しを呼びかけ、ロシアに対する西側の制裁政策の合理性と有効性を主張した。=AFP/East News撮影

 コメルサント紙は、こう伝えている。メディアの主要テーマとなったのは、「人民共和国」の民兵による攻撃の停止、ドンバス(ドネツ炭田)の都市を砲撃させないためのウクライナ軍の引き離し、今後の共同での紛争解決を見込んでいる、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が打ち出したウクライナ南東部における紛争解決のプランである。プーチン氏のプランは、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領との電話会談の結果を受けて作成された。キエフ政治調査紛争学センターのミハイル・ポグレビンスキー所長は、停戦がポロシェンコ氏にとって有利である点を指摘し、こう述べる。「それは、第一に、ドンバスにおける紛争を武力で解決する試みが失敗を重ねているためであり、第二に、いかなる戦争においても停戦は守る側に有利であり攻める側に不利であるためです。恒久平和を達成することは容易ではないでしょう。ウクライナ当局にあっては「戦争の党」(アルセニー・ヤツェニュク首相も含まれる)がかなりの影響力を有していますから。流布した見方にもかかわらずロシアが100%掌握できていない民兵のリーダーらをめぐる問題も生じるでしょう」。

 

 エクスペルト誌は、こう伝えている。停戦プランは、米国をはじめとする西側諸国サイドからのロシアに対する強硬なレトリックの継続を背景にプーチン氏によって打ち出された。たとえば、米国のバラク・オバマ大統領は、エストニアのタリンでの演説で、米軍基地のエストニアへの配備を告げ、ロシアNATO基本文書の見直しを呼びかけ、ロシアに対する西側の制裁政策の合理性と有効性を主張した。一方、ロシアは、緊張の緩和を目指し、平和的提案を行っている。ドンバスにおける紛争の平和的解決プランの実現は、それ自体、ポロシェンコ大統領にとっての挑戦であり、ウクライナにおける「深刻な内政危機」を招くおそれすらある。プーチン氏が打ち出したプランの項目の一つは、事前の条件なしの「全員対全員」の原則による捕虜の交換を見込んでいるが、これは、大統領に忠実でない義勇大隊の捕虜を含む捕虜の解放を意味しており、彼らの多くが軍事作戦の失敗をもたらした決定に対する責任を追及するために武器を手に大統領府へ押しかける可能性も、除外できない。

 

 ガゼータ・ルは、こう伝えている。ウクライナ当局は、ウクライナ経由のガスの供給をサボタージュしているとして南東部の民兵らを非難している。ウクライナ国家安全保障国防会議・情報分析センターのアンドレイ・ルィセンコ氏は、こう語る。「ウクライナの民兵らの行動は、国の経済に計り知れない損失をもたらしています。民兵サイドからの砲撃によりドネツィク(ドネツク)とルハーンシク(ルガンスク)の両州のガス輸送インフラは大きく損なわれ、欧州へのガスの供給に支障が生じかねません」。一方、国家エネルギー安全保障基金のアレクセイ・グリヴァーチ副会長は、こう述べる。「ウクライナ側からのそうした声明は、ロシア産ガスの欧州への中継輸送が停止した場合の「アリバイづくり」の試みにすぎません。しかも、中継輸送用のガスパイプラインは一本もルハーンシクとドネツィクの両州を通っていないので、「穴の開いた」アリバイづくりの」。また、研究総合大学・高等経済学院のニコライ・ペトロフ教授は、こう語る。「ウクライナは、考えられる中継輸送停止の責任を独りで被ろうとはせず、9月6日に予定されているロシア、ウクライナ、EU間の三者協議を目前にしてガスの問題の解決に最大限の注意を惹きつけようとしています」。