AFP/East News 撮影
ロシースカヤ・ガゼータ紙は、こう伝えている。ミンスクでの首脳会議の枠内では、前日まで疑問視されていたロシアとウクライナの二国間の大統領会談が、それでもやはり実現した。ウラジーミル・プーチン大統領は、ペトロ・ポロシェンコ大統領との会談の成果に関する記者団の質問に応えるなかで、ウクライナ南東部における停戦の問題とは一線を画し、こう述べた。「ロシアは、停戦の条件およびウクライナ政府とドネツィク(ドネツク)とルハーンシク(ルガンスク)の間の合意に関して口を挿むことはできない。それは、私たちの問題ではなくウクライナの内政である。ロシアは、南東部の紛争の当事者ではないので、紛争の行方に直接的な作用を及ぼすのではなく信頼の醸成を促すことしかできない」。
その一方で、プーチン氏は、ロシアにはドネツィクとルハーンシクへの人道支援を継続する用意のある点を強調し、「(ペトロ・ポロシェンコ氏との ― 編集部)合意はすでにある」と語った。また、ウクライナへのロシア産ガスの供給の問題について、プーチン氏は、それは価格をめぐる意見の対立のために「袋小路」にあり、これはロシア産ガスの欧州への中継輸送も脅威に晒されるという危険な状況を生みだしている、と述べた。プーチン氏の発言から判断して、ミンスク会議は危機の即時解決をもたらさなかったもののロシアの大統領が楽観を抱き続けていることは、全体として明らかと言ええよう。
エクスペルト誌は、ミンスク・サミットの別の側面に照明を当てて、今回の会議では欧州連合(EU)の代表らが協調的な姿勢をとった点を指摘し、こう伝えている。それは、経済的な理由によるもので、みんな、EUとロシアの間で起こっている貿易戦争が双方に不利益をもたらすことを承知している。さらに、冬が近づくにつれて、ウクライナ危機がその保障を大きく妨げかねないロシア産ガスの供給に関する問題が、欧州にとってますます焦眉のものとなりつつ、これに関連して、欧州のリーダーらは、露欧関係の安定化を目指している。ロシアとの対立が欧州の利益にはならないにもかかわらず、アメリカ当局は、EUに直接的な圧力をかけてEUをロシアに対する闘いにおけるツールとして利用しようとしているため、現在、欧米協力は、かなり危機的な状況に直面している。歩むべき途は、露欧間の協調および旧ソ連地域に対する共同監理であり、その指導部が欧州にシフトしてはいるもののロシアの国益を考慮し尊重するような緩衝国家へそれらの(旧ソ連の)国々が変わるならば、ロシアとしては十分に満足であろう。
コメルサント紙は、8月24日に報じられたウクライナ国内における10人のロシアの軍人の拘束について伝えている。ロシア参謀本部筋によれば、それらの軍人はたしかにウクライナの国境を越えたが、それは故意に行われたものではなく国境地帯をパトロールしていた際の偶発事であり、軍人らは、方向判断を誤って隣国の領内に進入して拘束され、抵抗することなく直ちに武器を引き渡した。拘束された軍人たちの親戚の話では、彼らが所属する師団は、演習の枠内でロストフ州へ配置換えとなり、ウクライナ国内で任務を遂行していたわけではない。
ヴズグリャード紙は、こう伝えている。ウクライナ側は、拘束されたロシアの軍人らは軍事侵攻を実施していた、と確信しており、ウクライナの軍・治安当局の代表は、「もしもエリート部隊が地形に不案内であり現地で方位を判定できないとしたら、私は、侵攻の命令を直接下した他の軍隊や将官たちについて何も語ることはできない」と述べた。
ウクライナ側の主張を裏づける根拠もあれば否認する根拠もあり、前者として、ロシアの軍人たちがウクライナ領にいたという事実および戦闘任務を遂行していたという彼らの供述が挙げられているが、供述は拷問によって強要された可能性があり、ロシア人がいたからといって必ずしもそれが侵攻を意味するわけではない。ウクライナの国境警備隊員および軍人らがロシア領にいたときにも、ロシアへ侵攻したとしてウクライナが非難されることはなかった。
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