ロイター通信撮影
「エクスペルト」誌は、ウクライナが国際通貨基金(IMF)から170億ドル(約1兆7000億円)の融資を受けようとしていることに関連し、同国のその後の経済状況を予測している。
ウクライナの今年のGDPは大きなマイナス成長になる。その主な要因はクリミアの喪失と、ドネツィク州およびルハンシク州の事実上の分離。「投資キャピタル・ウクライナ」社分析部のアレクサンドル・ヴァリチシェン部長は、一時的な南東部の喪失だけでも、GDPの16%、輸出品・サービスの4分の1の損失になると考える。このようなGDPの下落と新たな融資の後、国債の対GDP比は60%を超える。数年後にこの指標はさらに上昇し、そうなればウクライナ経済はデフォルトを避けられないという。
ウクライナがIMFに対して多額の債務を抱えること自体が危険である。これは経済政策における独立性を奪う。
ニュースサイト「スヴォボドナヤ・プレサ」は、2月に就任したばかりのウクライナのパヴロ・シェレメタ経済発展・貿易相が辞任したこと、またウクライナ経済の困難な状況について伝えている。
ウクライナの政治学者ミハイル・ポグレビンスキー氏はシェレメタ氏について、「偶然この役職に就いた人」であり、辞任は前から決まっていたと話した。
CIS諸国研究所のイーゴリ・シシキン副所長は、ウクライナ情勢の悪化に対する責任を負いたくないために辞任したのではないかと話す。今後はウクライナ経済の衰弱、生活レベルの低下が起こるだろうが、それは現ウクライナ政権の終わりを意味しないという。「この政権は反対運動で動じない」とシシキン副所長。
「ロシースカヤ・カゼータ(ロシア新聞)」は、ウクライナで8月上旬に消息を絶ったロシア人報道写真家アンドレイ・ステニン氏に関する、ロシアのセルゲイ・ナルイシキン下院(国家会議)議長の言葉を伝えている。
「ウクライナ政府がこの報道写真家のその後について明かせるかもしれないという根拠がある」と述べ、ウクライナ軍に拘束された説を示唆した(ウクライナ政府はこれを否定)。
シリアで誘拐され、殺害されたアメリカ人ジャーナリストのジェームス・フォーリー氏のショッキングなニュースを例にあげ、こう述べた。「明らかな犯罪でありながら、西側の一部政治家の反応は変わる。あちらが見えても、こちらは見えない」
「ガゼータ・ル」紙は、今月24日のウクライナの独立記念日で、数年ぶりに軍事パレードが行われると伝えている。
ウクライナの政府関係者によると、このパレードは「現在東部でウクライナ独立を守り通している軍人の祝賀」だという。ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領は、今年の独立記念日で祝賀的なイベントは行わないと約束していた。
ウクライナの政治家のパレードに関する意見はわかれている。
超派閥のアレクサンドル・ゴルプ議員は、パレードとは勝利のデモンストレーションであって、ウクライナには現在、誇示できるものはないと考えている。ウクライナ南東部の「反テロ作戦」は終わっていないし、ウクライナ軍の損失は多大だ。
一方で政治オブザーバーのパヴェル・ヌス氏は、パレードとは「団結要因」であり、「動員、軍、国民」に寄与すると考えている。
ウクライナ分析センターのアレクサンドル・オフリメンコ所長は、「反テロ作戦」の兵士が基本的な薬もまともな食事も摂取できていない状況で、パレードに多額(2億グリブナ≒15億円)が費やされる点を指摘している。
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