交渉のテーブルに戻ったロシアとウクライナとEU

ロイター通信

ロイター通信

ロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの外相は、ウクライナ情勢を協議すべく一月半ぶりに会談した。8月17日にベルリンで行われた協議は難航をきわめ、停戦に関する合意は達せられなかったが、四者は、紛争解決プランの作成およびそうしたプランが最終的に承認されうるロシア・ウクライナ・EUサミットの準備に関する作業を継続する意向だ。

 17日18時頃、四ヶ国の外相は、ドイツ外務省のゲストハウスがあるヴィラ「ボルジッヒ」に到着し、五時間以上をそこで過ごした。ホスト役のフランク=ヴァルター・シュタインマイアー外相は、前日、ウクライナ東部における暴力を終わらせて現地の住民に人道支援物資を届けることを可能とする今回の協議に大きな期待をかけている、と語ったが、協議終了後の記者会見では、協議が不調に終わったことをうかがわせ、「私たちは、協議の結果について自国の首脳に報告したのち、恐らく火曜日に今後どのように協議を継続するかを決定する。協議は難航したが、若干の進展は見られた」と述べた。

 ウクライナのパヴロ・クリムキン外相は、声明は一切行わなかったが、ツィッターにこう記している。「五時間に及ぶきわめて困難な協議だったが、前進するには、五時間の協議を何度も重ねる必要がある。ウクライナ側は妥協しなかった。国家が自国の限界線を越えるところに妥協の余地はなく、ウクライナはそれを越えなかった」

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、月曜日午前のブリーフィングで、協議の結果について記者団に語った。同外相は、ウクライナにおける停戦の問題に関する進展が見られなかったことを遺憾の念とともに認め、「人々が非業の死を遂げて市民のインフラが破壊されている以上、これはきわめて喫緊の課題と言える」と述べた。

 

ラブロフ外相:「停戦は無条件のものであるべき」

 同外相は、さらにこう続けた。「私たちは、再三繰り返してきたように、停戦は無条件のものでなくてはならない、というロシアの立場を主張したが、残念ながら、ウクライナ側は、さまざまな条件、しかも、国境の不通過性の保障といったかなり曖昧な条件を打ち出しつづけている」。

 「ロシアは、国境の通過に対する監視が最大限効率的なものであるべきことに異論はなく、OSCE(欧州安全保障協力機構)の監視団がウクライナ側からの国境監視のために無人航空機を入手することを望んでいる」

 「四者は、ウクライナ紛争解決に関する枠組み文書を作成すべく協議を継続する。私たちは、すべてに受け入れ可能な定式を見いだすべく、停戦の課題、人道支援物資の供給、より効率的な国境監視の保障、政治プロセス始動のための条件づくり、といったあらゆる問題に関して近日中に協議を継続することで、合意した。今のところ、私たちに定式と呼べるものはない」

 「そのかわり、さまざまな面で一定の進展が見られた。まず第一に、それは、ウクライナ南東部の住民への人道支援物資の提供を認める合意に関するものだ」

 ラブロフ外相は、隣国における緊張を高めているという西側およびウクライナのロシアに対する非難をきっぱりとはねつけ、こう述べた。「ウクライナ国境付近のロシア領における軍隊の集結および配置は、地域における戦闘行動に関連したものであり、安全保障上の措置である。用心するに越したことはないわけで、私たちには、警戒心を発揮する義務がある。ロシアの国境から数百メートルでなければ数キロメートルの地点で本格的な戦争が行われているのだから」

 「米国は、膠着状況を打開することができるだろう。残念ながら、米国は、ベルリン協議に参加しなかったが、私たちは、米国のパートナーにも、ウクライナ当局に働きかけて兄弟同士の殺戮の停止と交渉プロセスの開始を達成してほしいとのシグナルを送り続けている」

 「しかし、ウクライナ政府が武力を行使する限り、ウクライナ東部における紛争解決を目指す国際的な努力は空しい。ウクライナのNATOおよびEUに対する軍事支援の要請は、認められない。なぜなら、それは、停戦および交渉開始の必要性に関して達せられたすべての合意に反するものだから」

 

オランド仏大統領が武力行使の使用を抑えるよう呼びかけ 

 ロシア外務省筋によれば、ヴィラ「ボルジッヒ」での協議は、そうしたフォーマットの協議としては二度目のもので、7月2日には、同じ「四者」が、やはりベルリンで協議を行い、その際、外相らは、ウクライナにおける和平を達成する義務を確認してウクライナの政府と東部およびロシアとOSCEの代表からなるコンタクトグループの創設を呼びかける内容のベルリン共同宣言を採択したものの、その後も、紛争は解決されず、ウクライナの新政権は、国の南東部において重火器や装甲車を用いた特別作戦をいっそう活発に継続しており、ウクライナは、それを反テロ作戦と呼び、ロシアは、それを討伐作戦と称している。

 フランスのフランソワ・オランド大統領が武力行使の使用を抑えるようウクライナ当局に呼びかけたのも、不思議ではない。同大統領によれば、ベルリンでの日曜日の協議は、ウクライナ情勢に関する「ノルマンディー・フォーマット」のサミットへ向けた第一歩になりえた。同大統領は、欧州委員会のジョゼ・マヌエル・ドゥラン・バローゾ委員長との土曜日の会談で、「フランスは、政治的解決のプロセスをサポートすべく、ロシアのウラジーミル・プーチンとウクライナのペトロ・ポロシェンコの両大統領およびEUの幹部らを自国に迎える用意がある」と述べていた。