ウクライナ情勢7/17報道

タス通信撮影

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 「ガゼータ・ル」紙は、ウクライナ東部における最近の動きについてこう伝えている。数日前、ウクライナ軍は、ルハーンシク(ルガンスク)の封鎖を準備していたが、現在、蜂起勢力は、数時間のうちにウクライナ政府に忠実な部隊を包囲することができ、それらの部隊は戦火を交えてそれを突破するかロシア領へ逃れるかすることになる、としている。

 しかし、ウクライナ側は、政府軍は国境地帯から民兵を遠ざけつつある、としている。

 今のところ、ウクライナ軍には封鎖の円環を閉じることができていないため、ルハーンシクの完全な封鎖は、どうやら、先延ばしされている。一方、ペトロ・ポロシェンコ大統領は、反テロ作戦に参加している戦闘員への戦闘行動参加者のステータスの付与に関する法律に署名したが、これは、それらの戦闘員がアフガン戦争の参戦軍人などと同様の特典を得ることを意味している。

 

 「ヴェドモスチ」紙の報道によると、ロシアとの国境を封鎖するウクライナ軍の試みは、成功していないようである。今のところ、ウクライナ軍にはドンバス(ドネツ炭田)の民兵を国境から遠ざけることができておらず、政府軍は、国境の検問所を敵に明け渡して退却している。「ドネツィク(ドネツク)人民共和国」の司令部に近い筋によれば、ロシアとの国境沿いに配置されたウクライナの軍・治安機関の部隊は、損失を蒙っており、一連の国境の検問所を後にした。

 6月にウクライナ側によって閉鎖された国境の検問所があるマリノフカでは、戦闘が行われており、また、国境の検問所「イズヴァリノ」は、民兵の支配下に置かれている。退役大佐のヴィクトル・ムラホフスキー氏によれば、南方から国境地帯を奪還しようとした部隊は、水や食糧などの補給に苦しみ、蜂起勢力側に現れたロケット砲の砲撃によって大きな損失を蒙りはじめた。近日中に、この部隊の撤収の問題が決定されるものとみられる。一度に全域で攻撃を行うウクライナ軍の試みは、冒険主義的なものであり、ウクライナの司令部は、プロフェッショナリズムに欠けていることを露呈した。

 

 「エクスペルト」誌はこう伝えている。EU(欧州連合)は、新たな対露制裁に関する決定を行った。今のところ、会議の詳細は明らかにされていないが、欧州の選択が「行動の幅がひじょうに限られていることに起因していた」と言うことはできる。制裁の公けの理由は、EU加盟国が打ち出したウクライナ情勢の沈静化に関する要求の完遂をロシアのウラジーミル・プーチン大統領が拒否したことである。

 ロシア経済の特定の部門全体とのあらゆる通商投資関係の完全な停止を見込んでいる第三弾のいわゆる「部門制裁」の導入は、最もラディカルな選択肢となりえる。ウクライナ当局は、まさにそれを求めており、米国も、そうした姿勢を支持している。しかも、アメリカは、EUに露骨な圧力をかけている。仮にEUが第三弾の制裁を支持しないとしても、アメリカは自発的にそれを発動する。

 しかし、そうした事態の推移は、欧州を利することなる。米国による対露「部門制裁」の導入により、欧州の企業は、魅力的なロシア市場においてアメリカ企業が撤退したスペースを占有できる。というわけで、欧州は、深刻なジレンマに立たされており、プラグマティズムかイメージかの選択を迫られている。

 多くの国は、それがウクライナの状況を改善しないばかりでなくひどく悪化させうることを認識しているため、新たな制裁の導入に慎重な構えを崩していない。最悪の場合、欧州は、ロシアに圧力をかけるための一連の梃子を単に失うおそれがある。制裁を導入しなくとも制裁をチラつかせることでロシアの行動に歯止めをかけるというのが、制裁の狙いなのだ。もしかすると、EUは「中庸」を見いだそうと努め、導入されるにしても制裁はさほど厳しいものとはならないかもしれない。