GettyImages/Fotobank撮影
相互に停戦合意違反を非難(コメルサント紙)
「コメルサント」紙は、ドネツィクの停戦が銃撃戦に変わり、ウクライナの対立の当事者が互いに合意違反を非難し合っていると伝えている。23日にドネツィクで行われたウクライナ軍とウクライナ連邦化支持派の間の停戦合意は、数時間後には破られた。行われた協議にはドネツィクとルハンシクの人民共和国の代表が出席し、ウクライナ政府と連邦化支持派の双方合意の上で、6月27日までの停戦が決定した。
連邦化支持派はウクライナ軍によるルハンシク郊外での銃撃を非難。一方でウクライナ軍の「反テロ作戦」の幹部は、義勇軍が一晩に何度もクラスニー・リマンとスラヴャンシクに向かう道の封鎖拠点に銃撃を行ったと非難。この地域の状況は以前と同様、緊迫しているが、同時に平和的解決が可能であるという希望の光がさしている。ただし最近の情勢は、人民共和国で任務にあたっている野戦指揮官の誰もが、命令に従っているわけではないことを示している。銃撃があったということは、すべての野戦指揮官が、ルハンシク人民共和国とドネツィク人民共和国の正式な幹部の指示に従っているわけではないことを証明している。
ロードマップは平和への道か?(ノヴァヤ・ガゼータ紙)
「ノヴァヤ・ガゼータ」紙は、ウクライナ東部の平和に戻ろうとする試みは、軍事衝突よりは当然良いことであるが、国の展望を犠牲にしかねないと伝えている。ペトロ・ポロシェンコ大統領が自身の平和計画を発表した後、ドネツィクで行われた協議については、いまだに矛盾する情報が入ってきている。2003年の時点でウラジーミル・プーチン大統領との相互理解があったレオニード・クチマ元ウクライナ大統領を、ウクライナ政府は特使として協議に派遣した。クチマ元大統領はかつて、ロシア政府にとって、もっとも妥協する姿勢を見せた人物であった。だがクチマ元大統領への委任を証明する命令は、いまだに公表されていない。
逆にポロシェンコ大統領にウクライナ東部の情勢の平和的解決をまかされたイリーナ・ゲラシチェンコ氏は、協議に参加していない。現状ははるかに劇的である。ロシア側は自らを協議の参加者とは見なしていないが、その代わり、分離主義者のグループを積極的に創設しているようだ。法律に違反し、流血の責任がある者に対して、「武器を置け!」以外には何も言うことがないと述べたウクライナ政府は、すべてがポロシェンコ計画の通りに進んでいるかのごとくふるまっている。
一部政治家はポロシェンコ大統領がリスクを冒していることを指摘。「ウクライナの選択」運動のヴィクトル・メドヴェチュク指導者が指揮をとる「東部プロジェクト」は、ウクライナのヨーロッパへの展望を危うくしかねないため、社会は理解できない。それでもウクライナ最高会議の臨時選挙で分離主義者の”上層部”の代表が議席を獲得するという、”独立広場”にとっては“痛い”が妥協的な提案があるかもしれない。
ロシア軍の派遣許可取り消しの波紋(エクスペルト誌)
「エクスペルト」誌は、ロシア政府がウクライナへの軍の派遣の可能性を公に取り消したと伝えている。ウラジーミル・プーチン大統領は、ロシア上院(連邦会議)に対し、以前許可したウクライナへのロシア軍の派遣の可能性を取り消すよう要請(上院はこの要請を承認)。これは「クリミア情勢に関連」しており、「クリミアの住人の意思表示の自由を守る」ためのものであったため、すでに必要ないという。この取り消しは世界中で極めて感情的な反応を招き、ヨーロッパはこの決定を支持。ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領は「平和計画の現実的な第一歩」と表現した。
ロシアの政治学者やアナリストは、今回の決定を、平和プロセスに対するロシアの期待と関連している可能性があると述べている。そうでなければ軍の使用の可能性のような潜在的な切り札を、拒むことはないだろう。軍の使用の脅威がなくなっているということは、協議プロセスが進んでいることを意味する。
ロシアが協力やガスに関連する国に直接的に呼びかけながら、ウクライナ問題で繊細かつ厳しい線を引き続けるようであれば、経済制裁発動の可能性は最小限になり、ロシアにとって成功に値するウクライナの衝突の解決の可能性が高まる。
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