セヴァストーポリ市=セルゲイ・サヴォスティアノフ撮影/ロシースカヤ・ガゼタ紙
クリミアとは?
クリミアは、黒海に突き出した、ウクライナ南部の半島で、そこにクリミア自治共和国が位置している面積は海洋も含めるとかなり広く、東でロシアと境を接する。またセヴァストーポリ市は、特別な地位を付与された「特別市」だ。ヘルソン州の一部もこの半島にある。クリミア自治共和国の首都はシンフェロポリ。
人口
最近ウクライナ全国で実施された国勢調査(2001年)によると、クリミア半島には241万3228人が住んでいたが、ウクライナ国家統計局のデータによると、昨年11月1日時点で、クリミア自治共和国の人口は196万7119人だ。内訳は、50%以上がロシア人で、約24%がウクライナ人、約12%がタタール人(18世紀末にロシア帝国に併合されたクリミア・ハン国の末裔)。
クリミアがウクライナ領となった訳
ロシア革命後の内戦(1917~1920年)のさなか、クリミアは白軍と赤軍の間を何度も行ったり来たりしたが、内戦が終わった1921年、クリミア自治ソビエト社会主義共和国が置かれた(ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国に所属)。
大祖国戦争(独ソ戦)に際しては、クリミア半島はドイツとルーマニアに4年間にわたり占領された後、ソ連軍に解放された。
1954年、ソ連最高会議幹部会の決定により、クリミア州は、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国(1991年までソ連に属した)に移管された。その結果、ソ連が崩壊してウクライナが独立すると、クリミアはその一部となった。
言語
クリミアでは何語を話しているのだろうか? 当地では「公用語」という観念はなく、ロシア語またはウクライナ語が実質的な公用語として使われている。
2004年にキエフ国際社会学研究所が実施したアンケートによると、他言語の併用をふくめ、ロシア語を使用する人の割合はクリミアの全住民の97 %に上った。
黒海艦隊
なぜロシア軍がウクライナ領のセヴァストーポリに常駐しているのか? 1997年ロシアとウクライナは、友好・協力・パートナーシップに関する条約を締結し、ロシアは、セヴァストーポリに海軍基地を置き、2017年まで黒海艦隊を常駐させる権利を保有した。
ウクライナの領海、領土に同艦隊を置く具体的条件については、二国間で協定が結ばれ、艦船は、計388隻まで(うち14 隻がディーゼルエンジンを搭載した潜水艦)、航空機は161機まで、租借したグヴァルデイスキー市とセヴァストーポリの空港に配備できることになった。これはトルコ海軍の全兵力に匹敵するが、ロシアが現在配備している数はこれより少ない。
この協定の有効期間は20年で、両国のうちどちらかが、期間満了の1年前に破棄を事前通告しなければ、さらに5年間自動的に更新されることになっていた。
これに続く2番目の協定が、2010年にハリコフで結ばれ、セヴァストーポリでの黒海艦隊の常駐は2042年まで延長された。
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