=ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)/コンスタンチン・ザヴラジン撮影
両首脳がその協力について話し合えなかった分野を挙げたほうが早いのでは…。大部の共同声明に目を通すと、まさにそんな印象を覚える。
文書に盛り込まれた協力の分野は、多岐にわたっている。両国の政治対話、経済、投資、ロシアの極東および東シベリアの発展、農業、科学、技術、文化、宇宙、軍事技術協力、漁業、保健、環境保護、造船、北極海航路の運用、自動車製造、イノベーション、オリンピック、三ヶ国プロジェクト、国際組織の枠内での協力…。
韓国が羅津・ハサン間の鉄道プロジェクトに投資
とくに注目したいのは、経済分野で、ロシアが北朝鮮で実現しつつある羅津(北朝鮮)・ハサン(ロシア)間の鉄道の利用および羅津港のインフラの整備に関するプロジェクトへ投資するとの韓国の決定が、会談の主な成果の一つとなったこと。こうして、韓国は、ロシアを通して北朝鮮に投資を行うことになるが、これは、もはや経済的な意味ばかりでなく政治的な意味も帯びてくる。
また、両国の経済プロジェクトを支援するロシアと韓国の国家金融機関の参加を伴う共同の投資プラットフォーム&ファンドの創設に関する合意も達せられた。同時に、スコルコヴォに露韓イノベーションセンターが開設される。
ビザなし制度導入
多くの人が今か今かと待っていた首脳会談の注目すべき成果は、ビザなし制度の導入に関する協定で、2014年1月1日にこの協定が発効すれば、両国の旅行者は、訪問先の相手国に最大60日間ビザなしで滞在できるようになる。また、相手国に滞在できる延べ日数は、180日間に最大90日となる。
なお、2014年と2015年は、露韓相互訪問年と宣言され、文化センター設立に関する合意も達せられた。プーチン大統領と朴槿恵(パク・クネ)大統領は、若者の間のコンタクトや交流を後押ししていくと述べた。
露・韓・北朝鮮の「三大プロジェクト」
声明では、ロシアと韓国に北朝鮮を加えた「三大プロジェクト」についても触れられている。これは、上述の鉄道の建設、ガスパイプラインの敷設、そして、電力の供給であり、後の二つのプロジェクトは、これから検討される段階にあるが、プーチン大統領は、それらの実現を急ぐよう呼びかけた。
北朝鮮のテーマは、共同声明の第31項でより具体的に言及されている。ロシアと韓国は、独自の核兵器を製造してミサイルプログラムを推進させる北朝鮮の試みを両国が受け入れない点を強調し、声明では、北朝鮮が核大国のステータスを得ることはないとの指摘が為されている。両国は、また、北朝鮮の核プログラムに関する6ヶ国協議の再開を目指して協力していくことで一致した。
共同声明から明らかなように、次回はプーチン大統領がホスト役を務める。プーチン氏が、都合のよい時期にロシアを訪れるよう朴槿恵(パク・クネ)大統領を招待すると、朴氏は、これに応じ、両首脳は、外交ルートを通じて訪問の具体的日程を調整することで合意した。
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