「BRICSはライバルではなくリーダー」

=コメルサント紙撮影

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、3月26日から南アフリカのダーバン地区で開催されるBRICS(新興5カ国)首脳会議に先立ち、タス通信のインタビューに応じた。BRICSを完全な戦略的相互活動の機構に変える必要があることや、BRICSが西側諸国の地政学的競合ではないことなどについて説明し、さらにその将来像について語った。

 ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの経済はここ20年、世界有数の成長を遂げている。BRICSの昨年の平均GDP成長率は4%だった一方で、G7は0.7%にとどまった。さらに購買力平価換算のGDPは世界全体の27%を超えている。プーチン大統領は成功例をあげながら、将来像をかかげた。ロシア政府は、BRICSがさまざまな問題に対する共通の立場を調整するような対話フォーラムから、世界政治の主要な問題の解決策を共に探るための、完全な戦略的相互活動の機構に徐々に変化していくと考えている。

 ダーバン会議に向けて、シリア情勢、アフガニスタン、イラン、中東の問題に関する詳細な対策が記された、共同宣言が作成されている。「BRICSは多極世界有数の要素である」とプーチン大統領。BRICSは国際法の原則を準拠し、国連が中心的役割を担えるよう協力し、軍事的圧力をかけたり他の国の主権を脅かしたりするような政策を容認しない。

 BRICS創設を主導したロシアにとって、結束のための作業は優先的外交政策のひとつとなっている。クレムリンの公式ウェブサイトでは先週、ロシアのBRICS参加コンセプトが公表された。現在はダーバン会議で採択される活動計画のとりまとめが行われている。

 プーチン大統領はこう話す。「BRICSを西側諸国の地政学的競合とは考えておらず、多極世界を前提とした問題に関心のある国との対話はいつでも歓迎だ。我々にとって重要なのは、世界的発展を加速できるような解決策を模索し、経済の見込みある分野への資金流入を刺激し、就業率を上げることだ」。

 ダーバン会議では、BRICS経済審議会の設立が発表される。プーチン大統領はこれ以外にも、南アフリカ政府と面会することになっており、戦略的互恵関係宣言書や、エネルギー・農業協定などを結ぶ予定。「ロシアと南アフリカは、二国間貿易や投資の規模、また鉱業、原子力を含むエネルギー、宇宙探査、軍事・技術協力の分野における相互利益型プロジェクトの件数を、数倍に拡大できる」。

 

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