ロシア初のクレジット・カードは、2015年半ばに国内で登場する可能性がある。ロシア連邦中央銀行のタチヤナ・チュグノワ副総裁の話として、タス通信がこれを伝えている。
このクレジット・カードは、中国の「銀聯(UnionPay)」、日本の「JCB」、国際的な「Visa」および「MasterCard」の4種類の決済システムと提携する。これにより、ロシア人のカード保有者は、海外でも決済可能となる。
チュグノワ副総裁によると、このロシア独自の決済システムがゼロからつくられるわけではなく、既存の決済システムの技術インフラにもとづくことが、決定の決め手になったという。候補にあがっているシステムは、PRO100と「ゾロタヤ・コロナ(金冠)」。
ロシアの大手証券会社「フィナム」のアナリスト、アントン・ソロコ氏はこう話す。「国家クレジット・カード・システムの登場が2015年後半というのは、この種のプロジェクトとしては現実的。完全な国家決済システムは数ヶ月間でできるものではない。システムのメカニズム立ち上げ、インフラ整備、ロシアの銀行のシステム導入、外国で使用可能にする作業などには、少なくとも1年半かかる可能性がある」
ソロコ氏は、アメリカのVisaやMastercardとの協議は5~10年かかる可能性があるため、中国のUnion Payと協議するのが一番簡単だと考える。プロジェクトが発表された期間に実現した場合、ロシアのクレジット・カード・システムが市場のシェアを大きく確保するまでに3~5年かかる。専門家の試算によると、長期的には市場占有率が40~50%を超える可能性があるという。
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