モスクワ競馬場でコサック曲乗り

 ロシア最古のモスクワ中央競馬場(馬術演技場)は、クレムリンからわずか6キロのモスクワ市内に位置している。

 競馬はモスクワで18世紀終わりに初めて開催され、その後定着していった。冬の競馬は、ニエスクチヌイ庭園近くのモスクワ川の脇で行われていた。地元民は近くの丘から見物した。夏の競馬はホディンカ原で行われることが多かった。ここには1834年8月にロシア初の競馬場が建設された。

 当初は馬の愛好家や繁殖家が来場していたが、賭けが導入されると、観客は多様になった。競馬場の最盛期は新経済政策(ネップ)の時代、1920年代。モスクワ社会のエリートをひきつけた。

 第二次世界大戦後の1949年、激しい火災で建物が損傷を受けた。ソ連の建築家イワン・ジョルトフスキーは、壮大な柱廊およびソ連市民の平和的な労働生活の様子を描いた浅浮き彫りのあるスターリン様式の競馬場を設計し、再建した。元の競馬場はパリ・オペラ座が建設された当時をほうふつとさせたが、新しい競馬場はベルリンのブランデンブルク門に似ていた。

 競馬場は今日、賭けを行うだけの場所とはなっておらず、全ロシア馬飼育研究所の訓練場および試験場にもなっている。また、一般市民向けのさまざまなショーが開催されている。天候や状況に左右されることなく、毎週日曜日午後1時に繋駕速歩競走用の馬がコースに連れて来られる。5月~9月の夏季には、純粋なサラブレッド種、アラブ種の試験を見学できる。

 モスクワ中央競馬場の面積は約40ヘクタールで、年間対応能力は1200頭以上。コースの長さは1.8キロ、二層式スタンドには3500席ある。

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