ワレリー・ゲルギエフ氏:世界的な巨匠

マリインスキー劇場の芸術監督であるワレリー・ゲルギエフ氏は5月2日、マリインスキー劇場の新館でこけら落としの公演を行った。

 ゲルギエフ氏は偉大な人物だ。その音楽的な影響は海外にも広くおよび、常に世界中をかけまわっている。クラシック音楽のコンサートに関する情報を発信しているインターネット・ポータル「バッハ・トラック」は2010年、世界でもっとも活躍する指揮者と認めた。同サイトによると、88のコンサートに参加したという。フェスティバル、イベント、慈善コンサートなどを含めれば、ほぼノン・ストップで活動しているため、この数字は実際よりもかなり少ない。

 ゲルギエフ氏は有名なマリインスキー劇場だけでなく、ロンドン交響楽団とロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の上級指揮者であり、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の招待指揮者でもある。スケジュールを並べると、一人の音楽家がこれほどの活動をすることは不可能であると思えてくる。

 1996年から常任支配人、芸術監督、マリインスキー劇場の上級指揮者となっている。ゲルギエフ氏はこれまでずっと、マリインスキー劇場を最優先プロジェクトとしてきた。

 そして世界的な活動の最大の目的は、世界におけるロシア文化の地位を高めることである。セルゲイ・ジャギレフにも並ぶゲルギエフ氏は、流行をつくり、また従来のシステムをひっくり返しながら伝統を築いている。

 ショスタコーヴィチ、ストラヴィンスキー、プロコフィエフの音楽のモノグラフ・コンサート(一人の作曲家に特化したコンサート)は、20世紀芸術の未開部分を冒険することのない現代的なマネージメントの常識やマーケティング戦略に逆らって行われてきた。ゲルギエフ氏は観客の100%の信頼を受けながら、難なくこれをやってのけたのである。ワレリー・ゲルギエフという名前は、本物のブランドとして、長年広く音楽界で認識されている。

 「なんでこんなにたくさん働くのですか」という質問にゲルギエフ氏は、「たくさん働くことは悪いことじゃないでしょう。クラシック音楽が常に称えられるためには働かないと」と答える。きっと「休む」ことを知らないのだろう。誰もがこんな生活を送れるわけではない。人々は功績をあげて消えていったりするが、ゲルギエフ氏は新たな場所を開拓しながら、常に前進し続けているのである。

 

元記事(ロシア語のみ)