ベルーガ・キャビアは他のチョウザメのそれと比べて色も違う。ダークグレーからほとんど白いものまで様々だ。明るい色のキャビアは珍しく、値段もより高い。
Michael Jungblut / Laifベルーガ(オオチョウザメ)は、世界のチョウザメ目のなかでもユニークな存在であり、最大にしてかつ最も稀少なもの一つ。原産はカスピ海で、珍味とされる。
Michael Jungblut / Laifキャビアはベルーガの重量の25%以上にもなる。メスのベルーガは生後約25年で性的に成熟する。もっとも、毎年産卵をする必要はないのだが。寿命は100年以上に達する。
Michael Jungblut / Laif人口飼育では、適切な温度が保たれ、高タンパク質を含む餌を与えられた場合には、ベルーガは6〜7年後に性的成熟に達し得る。
Michael Jungblut / Laif記録に残る最大のベルーガは、1827年にヴォルガ川で捕らえられたもので、重量は1・5トンだった。
Michael Jungblut / Laifベルーガ・キャビアは、粒の大きさと色合い、そして滑らかで繊細な風味の両方を兼ね備えている。世界のグルメたちは、最高に美味なキャビアとして評価している。時には珍しい、ナッツを思わせるような、驚きの香りさえあるという。ベルーガ・キャビアは最も大粒で、直径5〜6ミリにも達する。
Michael Jungblut / Laifベルーガ・キャビアは世界でいちばん高値だ。最も軽い種類は、金の国際市場価格を上回る。
Michael Jungblut / Laif1980年代半ばまでは、ソ連は常に、チョウザメの漁獲高で世界一位にランクされていた。カスピ海では、チョウザメが2万8千トン水揚げされ、2千500トンのブラックキャビアが生産されていた。これは世界のキャビア市場全体の90%を占め、事実上、ソ連はチョウザメの輸出をほぼ独占していた。
Michael Jungblut / Laifソ連崩壊とともに、状況は変わり始めたが、チョウザメの数はすでに1950年代から減り始めていた。チョウザメ激減の第2の理由は密猟だ。
Michael Jungblut / Laifしかし、キャビア市場は水産業あるいは水産養殖が発展するにつれて、再び変化し始めた。新しい技術のおかげで、生態系への巨大な負担を軽減するだけでなく、絶滅のおそれのあるチョウザメの個体数を回復させることも可能になった。だが、残念ながら、人工的な条件でチョウザメを養殖するのは、サケやコイのように簡単ではなかった。
Michael Jungblut / Laifドイツ・ヘッセン州フルダ市に拠点を置くドイツの「Desietra」社は、グローバリゼーションの好例を示している。同社は、地元産のベルーガ・キャビアを養殖させ、その大部分をロシアに輸出している。
Michael Jungblut / Laifさらに、新たなドイツのプレイヤーが、ロシアのキャビア市場に参入しようとしている。ドイツのデンミン市に、チョウザメ養殖用の世界最大の閉回路養殖プラントがある。プラントの前の所有者が倒産した後、Caviar Creator社が、ロシアからの支援を仰ぐ形で介入。その結果、モスクワの投資家「ロシアチョウザメ」が、プラントを買収した。同社の主な目標は、ロシアにキャビアを供給することだ。
Michael Jungblut / Laifとにかくキャビアを生産するのは簡単ではない。その点、 ディルク・シュメルツ氏よりその秘訣を知っている人はいない。氏は、「国際キャビア・コーポレーション」(ICC)のために、ドイツのオーバープファルツ行政管区でチョウザメを養殖し、主にロシアに販売している。
Michael Jungblut / Laifシュメルツ氏は、水温を調節せず、むしろ自然の気まぐれにまかせる。水槽が凍った場合は、チョウザメは自力で持ちこたえなければならない。
Michael Jungblut / Laifキャビア市場最大のプレイヤーはサウジアラビアと中国だが、キャビアは養殖で生産されている。天然キャビアの供給で世界一位を占めているのはイランだ。なぜなら、同国にはチョウザメ漁のモラトリアムがないから。おまけに、イラン人自身はこの珍味を食べない。コーランによると、イスラム教徒は、ユダヤ人同様、鱗のない魚を食べることは許されない。
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