モスクワが東欧で最速の開発都市に

ヴァレリー・シャリフリン/タス通信
 モスクワはここ6年間、新しい交通システム、有料駐車場、自転車レンタル、公園や歩道の改修で、様変わりした。

 モスクワはここ6年で国際ランキングの84項目で上昇し、東ヨーロッパの交通・インフラ開発速度ではトップになった。フランス南東部のカンヌで開催された国際不動産見本市「国際プロフェッショナル国際マーケット会議(MIPIM)」で、モスクワ市国際関係課のセルゲイ・チェリョミン課長がこれを説明した。「モスクワは(中略)東ヨーロッパの未来都市の間で第1位。国際ランキングによってこれが証明されている」とチェリョミン課長。

 2010年にモスクワ市長に就任したセルゲイ・ソビャニン氏のインフラ・プロジェクトの中でも、モスクワの遠隔地区を結ぶ「モスクワ中央環状線」の開通は可能性を大きく広げた。

 一方で、論争を巻き起こしたのはモスクワの中心部の有料駐車場および駐車違反の罰則の導入。市民の多くが反対した。ただ、駐車場料金と罰金によって2016年の市の予算は175億ルーブル(約340億円)増えた。

 ここ6年で、中心部や遠隔地区においてレンタル自転車とカーシェアリングの最新システムが整備され、新しい人間工学的な公園が創設され、また歴史地区が改修されて広い歩行者天国のある地区に生まれ変わった。

マクシム・ブリノフ/ロシア通信マクシム・ブリノフ/ロシア通信

 地下および地上の鉄道駅でモスクワの遠隔地区を結ぶモスクワ中央環状線は、2016年秋に開業した。

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 一日約32万人がモスクワ中央環状線を利用している。

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 有料駐車場システムがモスクワに導入されたのは2012年。対象領域は拡大している。駐車料金は1時間40~200ルーブル(約80~400円)。

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 モスクワは2016年、駐車場料金と罰金で175億ルーブル(約340億円)の歳入を得たと、経済紙「ヴェドモスチ」が伝えている。これは、たとえば、タタールスタン共和国のカザン市の予算に相当する。

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 レンタル自転車システム「ヴェロバイク」はモスクワで2014年に始まった。現在、市内の中心部や遠隔地区に330ヶ所のレンタル拠点がある。だが自転車用道路がまだ完全に整備されておらず、車道を走らなくてはならないこともある。

キリル・ジィコフ/モスクワ通信キリル・ジィコフ/モスクワ通信

 モスクワでは、冬が長いことから、自転車レンタルの時期は4~10月限定である。冬の間はレンタル拠点が外される。

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 短時間のレンタカー・システムまたはカーシェアリングは、モスクワで2015年に始まった。ただ、外国人はこのシステムを利用することができない。

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 統計によれば、1台のカーシェアリングは自動車10台分に相当するため、モスクワの交通量を大きく減らせるという。

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 モスクワ市行政府が2013年に始めた歩行者天国の拡大と歴史的建造物の改修により、歴史地区は見違えるほど変わった。昼のピャトニツカヤ通り。

ウラジーミル・アスタプコヴィッチ/ロシア通信ウラジーミル・アスタプコヴィッチ/ロシア通信

 夜のクズネツキー・モスト(鍛冶橋)通り。

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 モスクワの河岸通りもリノベーション対象に。ムゼオン芸術公園のクリミア河岸通りは以前、広い車道に沿った、細くて人気のない歩道だった。

ヴャチョスラヴ・ロココフィエフ/タス通信ヴャチョスラヴ・ロココフィエフ/タス通信

 イギリスと北欧の建築事務所がリノベーションを手がけたモスクワの公園は今日、街の象徴となった。ゴーリキー公園は、観光客の間の人気の高さにおいて、赤の広場と競うことができる。

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