シベリア遠隔地の鉱山での生活

 世界報道写真コンテスト優勝者のエレーナ・チェルヌイショーワ氏は、過酷な条件下(ここでは気温が -50⁰C / -58⁰F にまで下がることがある)で金や銀の採掘が行われているクポル鉱山で10日間を過ごした。 彼女は地中400メートルまで下り、作業員の日常生活を観察したり、チュクチの氷に覆われたどこまでも続く風景を写真に収めたりした。

 世界報道写真コンテスト優勝者のエレーナ・チェルヌイショーワ氏は、過酷な条件下(ここでは気温が -50⁰C / -58⁰F にまで下がることがある)で金や銀の採掘が行われているクポル鉱山で10日間を過ごした。 彼女は地中400メートルまで下り、作業員の日常生活を観察したり、チュクチの氷に覆われたどこまでも続く風景を写真に収めたりした。

エレーナ・チェルヌイショーワ
シベリア奥地にある金鉱は、最も人里離れた職場の一つだ。
 クポル金鉱(その名称はロシア語で「ドーム」を意味する)は、シベリア東部のチュクチ自治管区の遠端に位置する。
 そこへは、マガダン(モスクワから10,306 km)からの飛行機でしか到達することができない。 11月から4月にかけての極寒の期間には、ツンドラ地帯を横断する350kmにおよぶ氷の道路が港町のペヴェク(ロシアの最北端の都市)までつながる。 これが、産業機械やその他の物品を輸送する主要な供給ルートとなる。
 シベリアのこの地域には、南アフリカに次いで世界で2番目の量の金が埋蔵されているとされる。
 さらに、実験的なハイドロカルチャーの温室があり、毎日約25キロ分を収穫できる新鮮なサラダ野菜が栽培され、地元住民に雇用機会を提供している。
 鉱山は国際的なチームによって運営されている。 ロシア人とウクライナ人が従業員の75%を占めているが、残りの従業員は、カナダ、ドイツ、ブラジル、チリ、ハンガリーなど、世界各地から来ている。
 1回の滞在期間は2ヶ月で、各シフトは12時間、その後2ヶ月が休暇となる。
 「居住区は両側の長い廊下と寝泊まり施設で構成されているので、まるで宇宙ステーションのようです。 居住区は静かで、高騒音のエリアからは離れています。廊下にはさまざまな生活施設が多数あります。ジム、卓球やビリヤードテーブルなどのレクリエーション空間から、図書館、テレビラウンジ、ティールームや礼拝堂などがあります」
 「近年、この金鉱は、最も過酷な天候条件にある遠隔地に位置するにもかかわらず、世界でも最先端の金鉱になっています。 まるでSF映画のセットのようです。 それぞれの鉱山には最先端のテクノロジーが導入されています。遠隔操作されるドリルが鉱山の最も深い奥部まで掘削できるので、作業員へのリスクが最小限に抑えられています」とエレーナ・チェルヌイショーワ氏は感想を述べる。
 カナダのキンロス・ゴールド社が2008年にクポルで採掘を開始する以前 (その施設の建設は2005年に着手された)、これらの金鉱床は、1930年代スターリンの強制労働収容所の囚人によって採掘されていた。