バイカル湖でアザラシ風に氷の下にダイビング

 大多数のダイバーは水面下の見事な動植物相を求めてダイビングに興じるものだが、冬のバイカル湖のぞくぞくするほど冷たい水に好んで飛び込む人も少なくない。ここでの見所は氷なのだ。

​ 冬にシベリアを訪問すべきかどうか決めかねているなら、バイカル湖の氷中ダイビングが説得するのに十分な理由となるかもしれない。

 淡水湖としては世界で最大の貯水量を誇るバイカル湖は、冬には氷の世界に変貌する。
 「氷、どこを見ても氷、30平方キロメートルすべてが氷です!湖面の上を30キロ運転しても300キロ運転しても、目の前に映るのは氷の境界線のみです」。2011年の水中バイカル・サファリを思い出してこう語るのは、ウクライナ人写真家・ジャーナリストで熱烈なダイバーのアンドレイ・ネクラーソフ氏だ。
 ネクラーソフ氏は、あらゆる主要な水中の見所はほとんど探索済みという経験豊富なダイバーなのだが、バイカル湖には他の場所にはない何か特別なものがあると主張する。
 「氷の彫刻作品は見事ですが、ここでは自然自体が主役になっています」とネクラーソフ氏は語る。「その創造物は主に抽象的なものですが、だからといって彫刻家たる自然の才能がより低いわけではありません。このつららを見てください。考えられないような方向に曲がったりねじれたりしているでしょう」
 地上の気温は−20度であるため、水温がおよそ0度の水中の方が温かいのである。
 バイカル湖の野生生物は一見、熱帯地方の水中ほど見栄えがしないかもしれないが、この地方に特有の無脊椎動物が何百種類も生息しており、みくびることはできない。とても幸運な旅行者なら、稀なバイカルアザラシを目にすることができるかもしれない。
 バイカル湖は1月中旬まで完全に氷結しない。地元住民は、積氷が最高の強度に達する3月にダイビングサファリを計画するよう助言している。
 足下の氷の厚さが1メートルに達すれば、氷の上で自動車を運転しても安全だ。
 凍り付いたバイカル湖の表面は、氷原に形成される氷丘や小さな隆起部で覆われている。日中と夜間の気温の差が大きいため、氷が膨張し、氷丘、横穴や洞穴や迷路などを含む独特の氷の地形を形成するのだ。
 さらにバイカル湖の氷は常に動き続けているため、このような地形の変遷が危険になることがある。
 「ある時私は、氷の穴の中をグループの最後のダイバーが通り過ぎた直後に、その壁が文字通り崩れ落ちるのを目撃しました」とネクラーソフ氏は回想する。
 バイカル湖の水には含有される化学物質がないため、その純度は蒸留水に近い。その透明度は見事だ。氷の厚さが1メートルでも、ガラスのように透けて見えるので、素晴らしい写真が撮れる。

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