「死の峡谷」サリクムで予想外の生命を発見

サリクム砂丘はダゲスタンのユニークな自然保護区で、マハチカラから北西に18キロ離れた、シュラ・オゼン川の左側の河畔に位置する。カメラマンのニヤズ・アクサノフが選んだ道程は、この閉鎖されたクム・トルカレ駅を出発点としている。

サリクム砂丘はダゲスタンのユニークな自然保護区で、マハチカラから北西に18キロ離れた、シュラ・オゼン川の左側の河畔に位置する。カメラマンのニヤズ・アクサノフが選んだ道程は、この閉鎖されたクム・トルカレ駅を出発点としている。

写真提供:ニヤズ・アクサノフ
砂丘は12キロの長さで、海抜252メートルの高さである。地質学者によると、これはサハラ砂漠のグランデルグ・オリエンタルに次いで世界で2番目に大きい砂丘だ。アメリカのデスバレー国立公園とも比較できる。
ここでは珍しい植物や動物を見つけることができる。/ 砂丘に足を踏み入れたくない人のための観測塔。
この砂丘に最初に言及したのはフランス人小説家のアレクサンドル・デュマで、『コーカサス旅行記』はパリで1861年に出版された。彼は1858年に、ダゲスタンへの旅行中にこの砂丘を目にした。
その他にも、この砂丘の外観自体が驚きに値する。回りには、砂漠も海岸もない。砂丘の基盤はステップの粘土によって形成されている。
この砂はどこから来たのだろうか? 地元住民は不思議な伝説を説き、科学者はアク・コル湖の谷で吹く風によってできたと提唱する。カプチャガイスコエ峡谷を通ると、風によって岩から砂が飛び立つ。
この砂丘の最も重要な科学的探検は、1915年にロシア人植物学者のA・A・マヤロフによって着手された。砂でできた山であるサリクムの形状は常に変化しているが、砂が飛散することはない。
山のふもとではホタルイの他、ヤナギ、ポプラやアカシアなど、水分を好む木々が見受けられる。その理由は次の通りだ。水が液化して下方に浸透し、ふもと付近で多くの泉や小さな湿地を形成するのだ。砂をわずか20〜30センチ程度掘っただけでも、湿った砂の層が見つかる。
サリクム砂丘の動物はこの地に特有である。主としてヘビやトカゲなどの昆虫や爬虫類が見受けられる。中には危険なものもある。だが、その危険度はこの地の暑さほどではない。数多く生息しているのはトカゲだけである。動物は夜間に外に出てくる。
繭の中でぶらさがる蝶のさなぎ。
この砂丘の植物は、古来の砂漠に生息した植物の残存物である。かつては広範囲にわたって生息していたが、現在ではカスピ海の西海岸でしか生息していない。この砂は、まるでアジアのさまざまな砂漠を縮小したかのようだ。中央アジア、イラン、カフカースや、さらにはアルタイ山脈を起源とする植物が生息する「植物園」なのである。
ダゲスタン国立大学の応用生態学研究所は、この砂丘に生息する植物のリストを作成している。350以上の種類が見つかっており、その多くはロシアのレッドデータ(絶滅危惧)植物種にも挙げられている。
だが、奥の方に向かうと美味しいアプリコットを食べることができる。