新学年開始日

 9月1日はロシアのあらゆる学校(大学も含む)の新学年開始日。初日は全学級の集会の整列から始まるのが伝統で、校長および学校の幹部の挨拶を聞く。整列はソ連時代のピオネール・キャンプの儀式の名残で、全学級が一列に並ぶか、または校庭の内周に沿って並ぶ。

 9月1日はロシアのあらゆる学校(大学も含む)の新学年開始日。初日は全学級の集会の整列から始まるのが伝統で、校長および学校の幹部の挨拶を聞く。整列はソ連時代のピオネール・キャンプの儀式の名残で、全学級が一列に並ぶか、または校庭の内周に沿って並ぶ。

イリーナ・ユリエヴァ
 新学年初日には生徒全員が盛装で登校する。女子は頭に大きなリボンをつける。リボンが頭より大きいことも多い。生徒ひとりひとりが先生のための花束を手に持つ。
 たとえ前日まで夏の好天が続いていたとしても、ロシアの9月1日の朝は不思議なことに、寒く、雨が降る。先生が新学年の始まりを祝福するまで、生徒は校庭の道で寒さをがまんしなければならない。
 新学年の始まりを知らせるのは、伝統的に「最初のベル」。11年生の男子が、ベルを手に持つ1年生の女子を肩に担ぎ、校庭または講堂の内周に沿って歩く。
 時に失敗も起こる。小さな1年生の女子が肩からズリ落ちたり、ベルがならなかったり。でもちっとも驚きじゃない。休日の後でもボーッとしてしまうことがあるのに、長い夏休みの後ともなれば感覚がかなり鈍っている。
 まったく新しい知識の世界、大きな友情、そして大きな愛がこの先の未来に待っている1年生。とはいえ、初めての登校日は不安だ。そしてそれは上級生にとっても同じ。長い夏休みが終わり、不安な気持ちで校舎に入る。
 忘れられてたらどうしよう?学校が実は閉鎖されていたとかだったらどうしよう、誰も連絡をしてくれなかったとか?学級が解散になって、新しい生徒ばかりだったらどうしよう?A学級のあの子が他の学校に転校していたらどうしよう?
 でも1時間目の授業が終わると、すべてはしかるべき状態になる。普通の学校生活の始まりだ。授業、クラブと...
 学校生活で記憶に残るのは休み時間。授業の合間の嬉しい10分間、われ先にとトイレにかけこんだり、学校の食堂で菓子パンを買ったり。
 食堂には独自の規則がある。当番の生徒がすべてを決められる。当番は朝食の前または昼食の前、自分の学級のテーブルで他の生徒の食器を並べるために、授業を5分早く退席することができる。当番とは打ち合わせもできる。例えば、欠席している他の生徒の分も合わせて2人前食べるとか。
 体育(または水泳)は特別な授業だ。 チームのキャプテンになろう、他の人より遠くまで飛ぼう、今まで嫌がっていたことを克服しよう、とがんばる生徒があらわれ、真のリーダーが見えてくる。
 普段の学校の授業生活から抜けだせる機会は2つ(大人になると抜けだすというほどの生活ではなかったと感じるけれど)。それは博物館の見学(遠足)と専門診療(義務的な地域の病院での医師めぐり)。
 すべての写真はサンクトペテルブルクの写真家イリーナ・ユリエワ氏より提供された。この撮影について本人はこう話す。「うちの下の息子は去年、サンクトペテルブルクの学校にあがった。初日の授業が終わった後で、どうだったか聞いたけれど、私の好奇心を満たすような答えはかえってこなかった」
 「そこでカメラを取り出し、息子の学校に撮影しに行った。授業、休憩、食堂と、息子と一緒に1日を過ごした。保護者の知らない生徒の日常の瞬間をとらえたかった」とユリエワ氏。