美術に見るロシア女性〜農場労働者から皇后にいたるまで

何世紀もの期間を通じて様々な変化が生じたが、ある一つのことだけは常に不変だった。それは、ロシア女性が芸術的なインスピレーションの源となったということだ。/ 『U.M. スミルノワの肖像』1841年 カルル・ブリュロフ

何世紀もの期間を通じて様々な変化が生じたが、ある一つのことだけは常に不変だった。それは、ロシア女性が芸術的なインスピレーションの源となったということだ。/ 『U.M. スミルノワの肖像』1841年 カルル・ブリュロフ

Karl Bryullov
ロシア女性の美しさは印象的で、多くの絵画がそれを題材としている。
2 数々の描画をより詳しく見てみると、1世紀の間にロシア人の美の感覚に変化が生じたことがわかる。/『シシマリオワ姉妹の肖像』、カルル・ブリュロフ、1839年
画家にとっては、題材の女性が皇后であるか、未亡人であるか、小作農の娘であるかはほとんど関係ない。それぞれの絵画はロシア女性に対する敬慕の念で満ちている。/ 『エカテリーナ・アヴドゥリナの肖像』、オレスト・キプレンスキー、1822年
ここでご紹介するのは、宮殿でくつろいだ時間を過ごす女性たち、農園で作業に従事する女性、踊りをする女性、テラスに佇む女性、ソファで静かに眠る女性たちだ。それぞれのロシア人画家は、美のまばゆさを独自の方法で表現しようと試みた。彼らはどこにでもインスピレーションを見出し、あらゆる動作の優雅さや魅力を認識した。/ 『小作農』、マコフスキー、1897年
この作品では、画家は日中に手紙を読む女性を見事に描いている。彼女の平穏なムードは周囲の自然に反映されている。/ 『手紙を読む女性』、ニコライ・ボグダノフ=ベルスキー、1892年
若く美貌のタティアナ・リュバトヴィチは画家の家の出身で、著名なオペラ歌手になった。この絵に描かれた当時の彼女は21歳だった。/ 『タティアナ・スピリドノヴナ=リュバトヴィチの肖像』、コンスタンチン・コローヴィン、1880年
ロシア女性の美しさは印象的で、多くの絵画がそれを題材としている。/ 『テラスで』、コンスタンチン・コローヴィン
現実主義的な画家のパーヴェル・フェドートフは、夫に先立たれて悲嘆にくれる若く美しい女性を描いた。/ 『未亡人』、パーヴェル・フェドートフ、1851〜1852年
ボリス・クストーディエフは、きわめて色彩豊かで、人生の喜び、快活さ、田舎生活や大きな祝祭を描写した絵画で有名だ。ある女性のこの肖像画がきわめて特別なのにはそれなりの理由がある。女性美と謙虚さが同時に描かれているからだ。/ 『女子修道院長』、ボリス・クストーディエフ、1901年
マリア・フョードロヴナ皇后、アレクサンドル3世の妻で、ロシアで最後のツァーリとなったニコライ2世の母親。/ 『マリア・フョードロヴナ皇后』、ウラジーミル・マコフスキー、1912年
ボリス・クストーディエフは、特徴的なロシア女性のタイプというものを、『商人の妻』、『ヴォルガ川の娘』や『美』といった作品で再現するとともに、画家としての彼の感嘆の念とちょっぴりの皮肉をも含ませている。/ 『茶を飲む商人の妻』、ボリス・クストーディエフ、1918年
1915年に、この画家は代表作となる『美』を完成させた。この作品で彼は、自らの才能を駆使して新たな芸術的現実を創造した。この絵は質感豊かで、部屋いっぱいにちりばめられた様々な物体や、女性の身体という、この作品内で最も重要な存在を巧みに表現することで、傍観者の注意をも引き付けている。/ 『美』、ボリス・クストーディエフ、1915年
イコン画家として訓練を受けたフィリップ・マリャーヴィンは、20世紀初頭のロシアを代表する画家の一人で、明るい色彩と大胆な筆遣いを組み合わせた絵画に重点的に取り組んだ。/ 『ファランドール』、フィリップ・マリャーヴィン、1926年
ジナイーダ・セレブリャコワは、娘と共にマリンスキー劇場に頻繁に足を運び、楽屋にも顔を出した。彼女が3年の期間を通してバレリーナたちと行った創造的な対話は、一連のバレエ肖像画や作品に反映されている。/ 『バレエの楽屋で(ボリショイ劇場のバレリーナたち)』、ジナイーダ・セレブリャコワ、1922年
1914〜1917年にかけて、セレブリャコワはロシアの農村生活、小作農の労働(主に女性たちの)と自然に焦点を当てた一連の絵画を創作した。労働に従事する小作農女性たちの態度は威厳と力強さに満ちている。/ 『キャンバス地の漂白』、ジナイーダ・セレブリャコワ、1917年
女性美の理想は年代によって異なる。1930年代には「正規の」女性像のヒエラルキー、その“最高位”は、労働にいそしむ母親像と結びつけられていた。ソ連人の意識に植え付けられた元型ともいうべきイメージは他にもあった。技術専門学校の学生、工場労働者、農場の娘やスポーツウーマンなどである。こうしたイメージの枠組みの中で、画家たちは自由に何でも描くことができた。/ 『眠るカーチャ』、ジナイーダ・セレブリャコワ、1945年