プリマバレリーナとミューズ:スヴェトラーナ・ザハロワ

しかしこの写真家は、ダンサーを撮影する方法を全く知らなかったと自認する。彼はただ自分の直感を信じ、カメラを手に劇場内を見て回ったのだった。こうして撮影することで今回の展示会の作品が生まれた。

しかしこの写真家は、ダンサーを撮影する方法を全く知らなかったと自認する。彼はただ自分の直感を信じ、カメラを手に劇場内を見て回ったのだった。こうして撮影することで今回の展示会の作品が生まれた。

Vladimir Fridkes, Courtesy of MMAM
第9回となるモスクワ国際ビエンナーレ「写真におけるファッションとスタイル」の一環として、モスクワ・マルチメディア芸術博物館は、著名なロシア人写真家ウラジミール・フリトケス氏による「フリーズ」と称する展示会を開催している。これは国際的なバレエスターでボリショイ劇場のプリマバレリーナ、スヴェトラーナ・ザハロワを特別に扱ったものだ。
第9回となるモスクワ国際ビエンナーレ「写真におけるファッションとスタイル」の一環として、モスクワ・マルチメディア芸術博物館は、著名なロシア人写真家ウラジミール・フリトケス氏による「フリーズ」と称する展示会を開催している。これは国際的なバレエスターでボリショイ劇場のプリマバレリーナ、スヴェトラーナ・ザハロワを特別に扱ったものだ。
バレエと写真の間の「ロマンス」的な関係の歴史は100年以上も続くものだ。20世紀を代表する、ホルスト・P・ホルスト、セシル・ビートン、リチャード・アヴェドンやアーヴィング・ペン、といった写真家の巨匠たちは、セルゲイ・ディアギレフ、ガリーナ・ウラノワ、マイヤ・プリセツカヤといったダンサーや振り付け師の名前と切っても切れないほど密接に関連付けられている。クラシックバレエのダンサーたちは写真家、画家やデザイナーに霊感を与えるミューズとなった。
ウラジミール・フリトケスが初めて閃きを得たのは、ボリショイ劇場が大改装が始まる数日前のことだった。それは、新時代の流れを写真に収めることの重要性に気づいたこの写真家の自然な衝動によるものだった。予期しない一連の写真があたかも「自然に」構想され生まれた。
「ボリショイ劇場が改築のために閉鎖されると耳にした時、何十万人、もしかすると百万人単位の人々により踏まれた舞台床や階段、そして何十万回も開閉されたカーテンのすべてが、永久に失われてしまうことに気づきました。その多くはソ連を象徴するものでもある」とウラジミール・フリトケス氏は語る。
10年後、フリトケス氏は再びバレエに魅力を感じた。今回の彼のレンズの被写体は、改修されたボリショイ劇場のスターの一人であるスヴェトラーナ・ザハロワである。
フリトケスとザハロワという二人の創造性に満ちた人物の組み合わせから生まれた作品は、動作の美、均整のとれた線とつりあい、そして人体に無限に秘められる可能性をたたえたものである。
動作とダンスというテーマは、「現実と想像の世界の間」というビエンナーレのテーマに完全に調和したものだ。アニー・リーボヴィッツはかつて次のように述べた。「ダンスは空気中で生まれ、空気中に消えていくものなので、写真に収めることはほとんど不可能である」
ウラジミール・フリトケス氏は、空気中から抽出され、ダンスの基となった動作をフィルムに焼き付けることで、現実と想像の世界の境界にいる主人公のストーリーを物語っている。