息を呑む美景:ロシア最南端のダゲスタン

ロシアをずっと南端に向かうと、ダゲスタン共和国に行き着く。

ロシアをずっと南端に向かうと、ダゲスタン共和国に行き着く。

Nikolay Rykov, Dmitry Chistoprudov
ダゲスタンは現在、ロシア連邦の自治共和国になっており、国境をはさんでアゼルバイジャンとグルジアに隣接している。
ダゲスタンの南端にはクルシュ村があるが、そこは全ヨーロッパで最も標高の高い場所でもある。
クルシュ村は海抜2,600メートルに位置する。
ダゲスタンでも最も遠隔の地に到達するのは容易ではない。そこまでの道は曲がりくねっていて、明かりもほとんど設置されていない。
クルシュはアゼルバイジャンとの国境に隣接している。ここで自由に運転するには、アフティ市(ダゲスタンの首都マハチカラから250キロに位置する)の国境警備隊から許可証を取得しなければならない。
取得には5時間以上を要する場合があるが、一度それを入手すれば、2000年を超える歴史を有するこの古代都市の通りを自由に見て回ることができる。
クルシュ村。村民は全員が牧畜を唯一の生活手段としている。この標高では農作物を生育することは現実的に不可能だからだ。
クルシュ村周辺の山の眺め。美しい山岳の風景は、必ずしもヒマラヤ山脈まで足を運ばなくても目にすることができる。
その歴史を通じて、アフティは、山の頁岩層から勢いよく湧き出た、硫黄を多く含み、癒やしの効能がある温泉でいつも有名だった。この温泉に関する最初の言及を確認できるのは、6世紀の史料である。
アフティの鉱物を多く含む温泉は、今でも湧き出ている。それは、アフティチャイ川の左岸にある村の中心部から南西に5キロほど離れた峡谷にある。
ダゲスタンは、それぞれの伝統、習慣や文化を重んじる多様な民族がいることでも有名だ。ダゲスタンの伝統の多様性は驚くべきものだ。山岳地帯の大きな村に行けば、どこでも必ずと言っていいほど特別な土着の習慣や儀式を目にすることができる。
ダゲスタンは単独で行動する観光客にはまだ安全な場所ではないが、この紛争地域は間違いなく素晴らしい旅行先である。
もてなしは、カフカース地方ではたいへん重要視される伝統である。豪華な食事や心温かい人々のおかげで、来客にとってここは信じられない場所に感じられる。到着時に迎えてくれるダゲスタンの友人がいなくても、帰る時までにはかならず友人ができているだろう。
この美しい国を訪れる際の隠れた危険がもうひとつある。あまりに楽しいので、帰りたくなくなってしまうかもしれないということだ。