フィンランド湾の沿岸に位置するサンクトペテルブルクの保養地区では、この春、2年連続で、親をなくした不運なハイイロアザラシやワモンアザラシたちを救うために、季節限定の保護センターが開設される。
Dmitriy Tsirenshikovアザラシの仔が岸に打ち上げられるのは、ほとんどの場合、嵐や、大人のアザラシがすみかを作る場所としている大きな浮氷の不足によるものである。
Dmitriy Tsirenshikovヴャチェスラフさんとエレーナさんの2人の動物学者がこのひれ足動物を受け入れている。そして数ヶ月の機能回復期間後、彼らはアザラシを自然の生息地に返す。
Dmitriy Tsirenshikov現在リハビリセンターでは12頭のアザラシが保護されている。
Dmitriy Tsirenshikovこのセンターに持ち込まれるアザラシの中には、生まれた時よりも体重が減少し、死亡寸前のものもいる。ここでは彼らに餌やりと水浴びが1日に6回行われ、医学的な治療も施される。
Dmitriy Tsirenshikovきわめて幼いアザラシには、特別に調合された餌が、チューブを介して5~6回与えられる。
Dmitriy Tsirenshikovそれほど幼くないアザラシには魚の脂肪、ひき肉や液状の餌が与えられ、水分のバランスが回復される。
Dmitriy Tsirenshikovこのプロジェクトが立ち上げられたのは1年前で、レーピノ(サンクトペテルブルクから45キロ離れた小さな町)にある治療施設でのことだった。サンクトペテルブルク下水処理センターは、アザラシたちの機能を回復させるための取り組みにすばらしい機会を提供してくれた。治療施設には動物が持ち込まれてくる隔離病室があり、餌の準備室や、成長した「患者」たちのためのプールもある。
Dmitriy Tsirenshikov同下水処理センターが動物学者のヴャチェスラフさんとエレーナさんたちに活動場所を提供してくれるまでは、彼らは友人のアパート、イルカ水族館、動物園、スキー場など、これらの動物たちに適切な条件を確保できる場所を転々としてアザラシたちの面倒を見ていた。
Dmitriy Tsirenshikovこの若い雌のアザラシは、ほとんど自然に戻す準備ができている。このアザラシは、2014年3月14日の嵐により、突然母親から引き離されて迷子になってしまい、浮氷に這い上がって泣いていた。
Dmitriy Tsirenshikovロシア非常事態・自然災害復旧省(EMERCOM)の職員が保護し、自然復帰センターに連れて来られたので、念のため保護されることになった。
Dmitriy Tsirenshikovアザラシは、冬の季節の2ヶ月間近く、雪でできたすみかの中で捕食動物、降雪や風から身を守らなければならない。あいにく、3月の末になるとフィンランド湾全体で氷がなくなってしまうため、このような環境条件はなかなか見つからない。
Dmitriy Tsirenshikovほとんどの幼いアザラシが今年中に死んでしまう可能性が高い。アザラシの個体数の減少は、専門家の間で重大な懸念事項となっている。
Dmitriy Tsirenshikovロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。