ラクダレース:ロシアにおけるアラブの伝統

ラクダレースは古来より家畜繁殖家の間で有名である。ロシアでカルムイク・バクトリア・ラクダが最も多く繁殖されている場所はアストラハン州である。現在、この種のラクダは4600頭いる。

ラクダレースは古来より家畜繁殖家の間で有名である。ロシアでカルムイク・バクトリア・ラクダが最も多く繁殖されている場所はアストラハン州である。現在、この種のラクダは4600頭いる。

Maxim Korotchenko
競技会では3つのレースが行なわれた。最終ラウンドで最も速かったラクダは、アストラハンのハラバリンスキー地区から来たマーシュカという名前のメスのラクダだった。彼女のジョッキー、ルファト・コスカロフは2500ドルの賞金を獲得した。
ラクダのレースはアラブ首長国連邦やサウジアラビアのシャイフ(首長など)に人気が高いが、その地域のラクダはこぶを一つしか持たない。こぶが二つあるバクトリア・ラクダのレースを開催しているのは、ロシアの中でも世界中でも、アストラハンだけである。
この種類のラクダは世界一大きい品種であるだけではなく、その毛は特別な効能がある事で知られている。頭痛、胸痛や疲労を解消するとされており、ラクダ・ウールから出来たベルトや膝パッドは関節痛に効く。
ラクダの乳はシュバトという発酵乳製品を作る為に使われる。地元の人々に人気があるこの飲み物は、栄養価が高く、様々な効能がある。
毎年出産する牛と違って、ラクダは一年おきにしか出産しない。ラクダの子は、2つのこぶが形成され、立派に成長するまで少なくとも3年かかる。
ラクダは非常に頑固なので、熟練した騎士しかラクダを走らせる事が出来ない。ラクダの体重は平均1トンであるが、レースでは馬と同じぐらいのスピードで走ることができる。
カルムイク・バクトリア・ラクダは生息域の気候が快適で、血統がとても良いので速く走ることができる。アンブルで歩む時、鞍あるいは馬具を着けていても、カルムイク・ラクダは速度40キロまで出す事が出来る。気性は優しく、飼い慣らす事が容易で乗る事も簡単である。
バクトリア・ラクダを繁殖する為には大きな投資と努力が必要だが、それでも多くのアストラハン人は先祖の伝統を続けている。
ラクダは痛みによってコントロールされる。騎士は、ラクダの鼻を貫通している棒を使い、ラクダを操る。馬の様に手綱を口に入れるのではなく、鼻に通す。この手綱は、アストラハンのステップ(河川や湖沼から離れた樹木のない平原)に生えているデュズギュンという特別な植物から作られている。
騎手によると、ラクダ達は痛みでコントロールされているにも関わらず、一生騎手に忠実で、広大なステップの長旅でも騎手を見捨てる事はない。
ラクダの起源に関する美しい伝説がある。それによると、粘土から男性を創ったアラーは、残った粘土を二つに分けた。アラーは片方から男性の姉であるナツメヤシを創り、もう片方から、兄であるラクダを創った。砂漠ではナツメヤシとラクダがなければ人は生きていけないからである。
アストラハン州のトゥリー・ポトカ町(モスクワから1400キロのところにあり、その名は「3つの流れ」を意味する)のレース場でロシアでは珍しいラクダのレースが開催された。このイベントは2006年から開催されている。今年も、騎手と従順ならくだ、そして珍しい魅力的な見物を見たい観客がレース場に集まった。