ジムネゴルスカヤ気象観測所:125年の孤独

ジムネゴルスカヤ気象観測所は、モスクワの北1,355キロに位置している。白海に面し、高さ100メートル以上あるユニークな絶壁、ジムネゴルスキー岬に所在する。そこにつながる道路はない。到達する方法といえば、海路を使うか、ヘリコプターに乗るか、海岸沿いを歩くしかない。昔は灯台があり、軍の部隊が駐在していた。その灯台はまだあるが、利用されなくなってからもうだいぶ時間が経つ。

ジムネゴルスカヤ気象観測所は、モスクワの北1,355キロに位置している。白海に面し、高さ100メートル以上あるユニークな絶壁、ジムネゴルスキー岬に所在する。そこにつながる道路はない。到達する方法といえば、海路を使うか、ヘリコプターに乗るか、海岸沿いを歩くしかない。昔は灯台があり、軍の部隊が駐在していた。その灯台はまだあるが、利用されなくなってからもうだいぶ時間が経つ。

Sergey Ermokhin
ジムネゴルスカヤ気象観測所は、モスクワの北1,355キロに位置している。白海に面し、高さ100メートル以上あるユニークな絶壁、ジムネゴルスキー岬に所在する。
白海(17世紀以前はストゥドョーノエ海、ソロヴェツコエ海、北海、なぎの海、白湾などという名で知られていた)は、ヨーロッパ・ロシアの北 部に位置する海で、北極海に属する。スカンジナビアの神話では、白海は「ガンドヴィク」という名で知られていたが、そのうねるような海岸線から、蛇小湾という名もあった。
気象観測所の所員、ヴォロージャ(受話器を手にしている方)とヴァレーラ。このような観測所には3人が勤務するのが常だが、最 近、3人目の所員は「うまくいっていない」。彼らはあまり長続きしないのだ。そのため、彼ら2人が、1日おきにやってくる。
ヴァレーラ・リゼツキーとヴォローデャ・シャロノフは、3時間ごとに観測地点からの観測値を記録し、データをアルハンゲリスクま で電話で伝達する。アルハンゲリスク(観測所から120キロ離れている)が最寄りの都市だ。
気象観測所所員のヴォローデャ・シャロノフは、「過去の人生」ではアストラハンに住んでいた。彼がジムネゴルスカヤ気象観測所に勤務するようになってから、すでに10年以上が経過している。
軍隊時代の自分の写真を見せるヴォローデャ・シャロノフ氏。
古い家族のスナップ写真を手にとるヴォローデャ・シャロノフ氏。
ジムネゴルスカヤ気象観測所所長のヴァレーラ・リゼツキー氏。彼はレニングラード(現サンクトペテルブルク)の水文気象研究所 で学んだ。彼は、ジムネゴルスカヤに配属されて以来、ずっとここに勤務している。
気象観測所の机上にある古めかしい電話。数年前、電話線のつながり具合が悪くなり、通信速度のより遅い、昔風のダイヤル電話し か使用できなくなった。最近使用されているのは新しいボタン式の電話で、水文気象サービスの本部までは衛星通信を使ってデータを送信するようになった。
当直の合間をぬって、キノコ採りに出かけることもよくある。森林は、文字通り窓のすぐ外にある。それは、この場所でできる限られた活動のひとつだ。
ジムネゴルスカヤは、ロシア北部で最も歴史の深い気象観測所のひとつだ。4月には、ジムネゴルスキー灯台で初めて観測が実施されて以来、125周年を迎えた。
この北極圏の孤島の気象観測所に住む2人の男の物語は、近年、『私はいかに夏の終わりを迎えたか』として映画化され た。このロシア映画はアレクセイ・ポポグレプスキーの監督による作品で、第60回ベルリン国際映画祭で「金熊」賞の受賞候補作となった。

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