モスクワから南西200キロに位置するニコラ・レニヴェツ村(カルーガ州)で、建築と芸術のフェスティバルが3日間にわたり開催され、音響インスタレーション、ロシア人アー ティスト、フョードル・パブロフによる息をのむようなパフォーマンスや現代詩が集まった。
Sergey Mikheyev / RG8年間毎年開催されている夏祭「アルフストヤニエ」は、現代美術のファンとアウトドアを楽しみたい人々の両方を引きつける。
Sergey Mikheyev / RG祭の名前は翻訳すると「古風な対立」を意味し、5世紀以上前にここで起きた歴史的事件「ウグラ川での対峙」に由来する。
Sergey Mikheyev / RGイヴァン3世とキプチャク・ハン国のアフマド・ハンとが、ここでにらみ合った。両者はモスクワ公国の国境があるオカ川の支流であるウグラ川の両岸 に陣取ったが、血は流されなかった。1480年の秋、このにらみ合いにより、タタールのくびきからの脱却が達成された。
Yaroslava Kiryukhinaニコライ・ポリスキーの努力のおかげで2000年から、ニコラ・レニヴェツの村は現代美術の前哨となっている。彼は農民や近隣の村の住民達と共に、村の周りに一連のオブジェを作った。
Yaroslava Kiryukhina雪だるまの軍隊、乾草や薪や棒からできた塔があった。オブジェを鑑賞するために、美術専門家、ジャーナリストや観客が集まり始めた。やがて、事をより真剣に捉 える時期が来たと感じたポリスキーは、いくつかの美術イベントを開催した。 そして2005年、彼はフェスティバル「アルフストヤニエ」を開催することを決めた。
Yaroslava Kiryukhina「怠け者のニコラ」を意味するニコラ・レニヴェツ村周辺の絵のように美しい田園風景には、地元のアートのインスタレーションが点在する。
Sergey Mikheyev / RGほとんどの屋外インスタレーションは、1989年にニコラ・レニヴェツに引っ越して来た芸術家ニコライ・ポリスキー氏により作られた。伝統的な地元のアート は、乾草、丸太、土や粘土など、自然の材料を使用する芸術だ。
Sergey Mikheyev / RGミトキとして知られるソ連のアングラ芸術団体の元メンバーであるポリスキー氏によると、地元のアートは観客を必要とせず専ら自己表現のために創られるがゆえに、純粋な芸術だと言われている。
Yaroslava Kiryukhinaポリスキー氏は、夏祭「アルフストヤニエ」の商業化が進み、組織的でトレンディーになりすぎている事を危惧している。しかし、今のロシアで現代美術が興隆するには行政の支援が必要である事を彼は理解しており、この地域を現代美術のメッカにするべく必要なスポンサーを集めるため、ギャラリーのオーナー、ビジネス マンや政治家とのネットワークを大切にしている。
Sergey Mikheyev / RG「ユニバーサル・マインド」の中心は、42のロケットの列柱をもつ台座の上にある、機械のような脳の両半球の彫刻だ。天然素材の信奉者であるポリス キー氏は、自身の最大のインスタレーション(展示)で、木製彫刻の新しいビジョンを呈示した。
Yaroslava Kiryukhina夏祭「アルフストヤニエ」は、これまで毎年新しい、地元アートオブジェを展示していたが、今回は新しいインスタレーションはなかった。新任のキュレーターであるカテ リーナ・ボチヴァル氏は、様々なパフォーマンスに焦点を置くことにした。
Sergey Mikheyev / RG夏祭「アルフストヤニエ」の主催者によると、これらのパフォーマンスは祭の観客のみに提供され、他で披露されることはないという。
Sergey Mikheyev / RGロシア・ビヨンドのニュースレター
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