日本とロシアの諺:「念には念を入れよ」

ロシアでこれに当たるのは、「裁断する前に七回測れ」(Семь раз отмерь - один раз отрежь)。英語で近いのは、Look before you leap(跳ぶ前に見よ=転ばぬ先の杖)。ロシアの諺で面白いのは、なぜ7回なのか、ということだ。5回でも、6回でもいいではないか?・・・

画像提供:スヴェトラーナ・ゴンチャローワ

 ここでふと思い浮かんだのは、新約聖書だ。

 

 そのとき、ペトロがイエスのところに来て言った。「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯したなら、何回赦すべきでしょうか。七回までですか」

 イエスは言われた。「あなたに言っておく。七回どころか七の七十倍までも赦しなさい」(「マタイによる福音書」18章21~22節、新共同訳)

  キリスト教では、7という数は、7日目の天地創造の終わりを示し、一つのサイクル、事業の完成を意味し得る深いシンボルだ。

 ペトロは、七回赦すことで、赦す行為が完結し、あとはその人の問題だと思ったのだろう。私見では、そうした感覚が、ロシアの諺にも入り込んでいるような気がする。だが、キリストの言葉はそういう“常識”を根底から覆すものだった・・・。