日本とロシアの諺:藪をつついて蛇を出す

画像提供:スヴェトラーナ・ゴンチャローワ/ジャパンハウス

 ロシアの諺でこれに当たるのは、「リーホが大人しくしているときに、目を覚まさせるな」(ネ・ブディー・リーホ・ポカー・チーホ «Не буди лихо, пока оно тихо»)。

 リーホとチーホが語呂合わせになっている。チーホは、「静かに」、「大人しく」の意味だが、リーホは、古代スラヴの神話に登場する悪霊だ。日本の疫病神に近い存在で、不運、不幸や悲しみを体現する。

 その姿形の具体的な描写は残っていないが、片目の痩せた女のイメージだ。

 よせばいいのに、あえて危険を冒したり、人を挑発したりする人に対して、この諺を使う。

 フロイトやユングなら、この片目の悪霊を、十分意識されていない危険の投影とでも解釈するかもしれない。無意識が「目を開けよ!」と警告していると。