ロシアの最大の魚についての5つの事実(写真特集)

Legion Media; 所蔵写真
 オオチョウザメは世界でもっとも大きな魚の一つであり、またもっとも長寿の魚として知られている。いくつかのニュアンスはあるものの、平均して1世紀以上生きる。

 1924年、巨大な魚がロシア南部にある小さな川、チーハヤ・ソスナで捕獲された。体重は1227キロで、245キロの魚卵を持っていた。それは世界でも珍しい、最大の魚の一つベルーガ、オオチョウザメであった。オオチョウザメは今もロシアに生息する。

1. 絶滅しつつある太古の種

漁師はヴォルガ川でオオチョウザメを釣っている、1867年

 オオチョウザメはマンモスの時代からほぼその姿を変えていない。かつて、動植物は全体にサイズが大きく、オオチョウザメは先史時代の自然界にピッタリであった。

チーハヤ・ソスナ川で捕獲されたオオチョウザメ

 今から100年前には、まだカスピ海、黒海、アゾフ海にたくさんのオオチョウザメが生息していたが、その数は乱獲と産業活動のために急激に減少した。現在、オオチョウザメの個体数は、カスピ海とカスピ海に流れ込むヴォルガ川南部のチョウザメ養殖場によって守られている。オオチョウザメは海水に生息するが、産卵のために川に移動する。

1921年に捕獲されたオオチョウザメ

 ロシアの漁に関する公式データによれば、19世紀半ばに捕獲されたオオチョウザメは重さおよそ1トン半であった(1827年)。1920年代には、体重1トン以上、体長5㍍のオオチョウザメが捕獲されている。これらの魚は60歳から70歳であった。以来、1トン以上の魚は捕まえられていないが、1970年に、112キロの魚卵を持った800キロのオオチョウザメがヴォルガ川で見つかっている。また1989年には966キロのオオチョウザメが同じ場所で捕獲された。

800キロのオオチョウザメ

ソ連時代に捕獲されたオオチョウザメの一般的な重さはオスでおよそ80キロ、メスは150キロであった。

2. 1世紀以上生きることができる

 オオチョウザメは100年以上生きるため、世界でもっとも長寿の魚の一つとされている。17~18歳で成熟し、再度産卵するのには2〜3年かかる。しかし、このプロセスを100年にわたって続けることができるのである。しかしながら、最近はそれほど長生きできる魚は少なくなっている。一方で、最高何年生きられるのかははっきりわかっていない。

 そしてもちろん、オオチョウザメは年々、大きくなるため、もしものすごく大きなオオチョウザメを見ることがあったら、それはあなたよりも年上である可能性がある。ただし、自然界でオオチョウザメを捕まえることはほとんどできない。またロシアでは、その他のカスピ海沿岸諸国と同様、オオチョウザメの捕獲は公式に禁止されている。オオチョウザメは絶滅危惧種を集めたレッドリストに含まれているからである。

3. 骨がない

 これほど大きな魚に骨がないとはどういうことかとあなたは訊くだろう。つまり、オオチョウザメの骨は歳月を経て固くなる軟骨でできているということになる。ちなみにサメやえいも骨がない。

 しかし、骨がないからといってそれが捕食者であるのを邪魔することはないオオチョウザメはニシンや他のチョウザメなど小さな魚を好んで食べる。

4. メスの体重の10%以上はキャビアである

ソ連時代のオオチョウザメのキャビア

 普通、メスのオオチョウザメは魚卵をたくさん持っており、それは体重の10%に相当する。そしてオオチョウザメのキャビアは世界でもっとも高価なキャビアの一つとされ、100グラムあたり200ドル以上する。キャビアは軽ければ軽いほど、味が良く、値段も高い。

 それは、大きめで味が独特で、他のキャビアと異なるものである。

 オオチョウザメのキャビアは、ロシアの高級レストランで食べるか、専門店で注文することができる。キャビアが高いのは、養殖にかかるプロセスが長期にわたるからである。例えば、オオチョウザメが目標体重に達するようになるまでには15~25年ほどかかる。産卵の時期にメスは砂底を選び、100万個の卵を産むが、そのなかで魚になれるのはほんのわずかである。オオチョウザメは自分の子孫には関心がなく、それを食べてしまうこともある。

 オオチョウザメは、高価な値段で売られている。かつて、オオチョウザメはツァーリ(皇帝)のテーブルに出されるメインディッシュの一つであった。

5. シロイルカと間違えられることもある

「ベルーガ」と「ベルーガ」

 実は、ロシア語や英語でオオチョウザメとシロイルカには同じ名前(ベルーガ  )が付けられている。「ベルーガ」はロシア語のベールイ(「白い」の意)という単語からきている。

 しかし魚とイルカはもちろんまったく違う種である。オオチョウザメはチョウザメの一種で、シロイルカは哺乳類でイッカクの親戚である。シロイルカは北極海を好み、自分たちの名前の由来などこれまで聞いたこともないだろう。

 オオチョウザメとシロイルカの共通点は大きいということだけである。

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