コロナウイルスが原因で戦勝記念パレードが中止になる可能性

AFP
 ソ連崩壊以後初めて、ロシアは5月9日の赤の広場での戦勝パレードを中止するかもしれない。

 コロナウイルスのパンデミックを受け、ロシア政府は大祖国戦争(1941年-1945年)戦勝75周年の軍事パレードを中止するかもしれない。ロシアのメディアが報じた

 ロシア連邦のドミトリー・ペスコフ大統領報道官によれば、すべては今後数週間のロシアにおける感染症の流行状況次第だという。

 「この問題はもちろん議論されているが、今のところ何も結論は出ていない。準備は進められている」とペスコフ氏は報道陣の質問に答えて話した。

 「パレードを行うべきか否か、行うとすればどのような形式でかという問題は、今後のコロナウイルスの流行状況を見て結論を出さねばならない」とペスコフ氏は続けた。

 無観客でパレードを開く可能性について問われたペスコフ氏は、「我々は現在の状況に柔軟に対応しなければならない。したがって、現時点で何が可能か話すのは時期尚早だろう」と答えた。

 「一方では我が国民、我が国の英雄的な戦いを記念するために、他方では国民の健康を危険に晒さないために全力を尽くすことが重要かつ不可欠だ」と大統領報道官は続けた。

 2020年、ロシアは大祖国戦争の戦勝75周年を迎える。5月9日の赤の広場でのパレードには、フランスのエマニュエル・マクロン大統領も出席する予定だ。 

コロナウイルス禍以前に戦勝記念パレードが中止されたことはあったか

 ロシアでは5月9日は最重要の祝日と考えられている。その意義の大きさで戦勝記念日に匹敵する祝日は他にない。これは2700万人以上の国民が犠牲となった戦争に勝利した日であり、国民の誇りの日である。 

 しかし、5月9日は直ちに重要な祝日となったわけではない。1947年から1965年まではパレードが行われず、5月9日は平日だった。

 「その理由についてはいくつかの仮説がある。一部ではスターリンとジュコフの『対立』が原因と見られている。つまり、ヨシフ・ヴィサリオノヴィチは元帥の勝利と人格の意義を全否定したかったのだという」と軍事評論家のドミトリー・サフォノフ氏は話す。

 彼の指摘では、戦後間もないソ連は非常に厳しい状況にあり、休日はソ連最高評議会の決議で5月9日から1月1日に移された。「祝日に予算を割く余裕はなく、廃墟と化した国家を建て直す必要があった。このため、ソ連では軍事パレードは節目の年ごとにしか行われなかった」と同氏は付言する。

 歴史上戦勝記念パレードが一旦忘れられたのは、1991年から1995年までのソ連崩壊後の混乱期だけだ。

 「コロナウイルス禍は、ソ連崩壊後ロシアが大祖国戦争戦勝記念パレードを中止する唯一の原因となるかもしれない。これが現実になるかどうかは、政府が感染症対策の効果を見て結論を出す4月中旬に明らかになる」とサフォノフ氏は締めくくる。

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