「今は病気の急速な拡大を予防することが極めて重要だ。したがって、来週一週間を有給の休日とする」とプーチン大統領は言った。大統領によれば、具体的には休日は3月28日(土)から4月5日(日)まで続く。
コロナウイルスの世界的なパンデミックを受け、3月25日、ウラジーミル・プーチン大統領はロシア国民に向けて緊急会見を開いた。その前日には大統領は感染者が入院しているコムナルカの病院を訪れていた。3月25日現在、ロシア国内では658件の感染例が確認されている。最近24時間の増加率が最も大きく、163人の感染が新たに確認された。感染者が最も多いのはモスクワで、410人の感染が確認されている。大統領からの要請の概要は以下の通り。
- 来週は有給の休業週となる。プーチン大統領は皆に自宅待機を要請した。
- 憲法改正に関する投票は無期限延期とする。
- 市民の社会手当や優遇措置は今後半年間自動的に延長される。
- パンデミックの影響で収入が30㌫以上減少する人はローンや消費者信用の返済を猶予される。
- 母親手当の受給権を持つ家庭には、月額5000ルーブル(約7千円)が支給される。
- 失業手当は最低賃金(約12000ルーブル=約1万7千円)まで引き上げられる。
- 傷病手当の月額を最低賃金に合わせて定める。
- 中小企業は税や保険料の支払いを6ヶ月間猶予される(付加価値税を除く)。
- コロナウイルスの打撃を受けている業種の企業は破産申請を6ヶ月間猶予される。
- 保険料率は30㌫から15㌫にまで引き下げられる。
- 利子や配当で得た収入を国外の人が受け取る場合、15㌫の税が課される。
- 100万ルーブルを越える預金や有価証券からの収入にも13㌫の税が課される。
大統領はロシア的な「何とかなるだろう」精神に身を任せず、コロナウイルス予防策に真剣に向き合うよう全国民に要請した。
「信じてほしい。今最も安全なのは家にいることだ」とウラジーミル・プーチン大統領は締めくくった。